Research press release

鉛の大気

Nature Geoscience

Lead atmosphere

鉛を含んだエアロゾルは大気中の氷形成を極めて効率よく促進させる、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。この発見は、前世紀に無鉛燃料へと転換される前に大気中に存在した大量の鉛が与える影響について見通しを与えてくれる。

D Cziczoらは、人工雲中で鉛が氷結晶を生成させる能力について調べた。彼らは、形成された氷のほぼ半分が鉛粒子によって生成されたことを発見した。さらに、大気中の氷の残滓を分析した結果、氷を形成する粒子の1/3は鉛を含んでいることがわかったが、これは自然の条件下でも鉛が氷形成の引き金となっていることを示唆している。彼らは、もし鉛が氷を生成させる粒子すべてに存在するとしたら、氷の生成が増加し、より多くの太陽光が宇宙空間に反射されて戻ってしまう、と見積もっている。

著者らは、産業革命後の鉛粒子の放出は、温室効果ガスが原因である温暖化の一部を相殺している可能性がある、と示唆している。

Lead-containing aerosols are highly efficient propagators of atmospheric ice formation, according to a study published online in Nature Geoscience. The findings provide insight into the influence of the large quantities of lead present in the atmosphere before the switch to unleaded fuel last century.

Daniel Cziczo and colleagues examined the ability of lead to generate ice crystals in artificial clouds. They found that lead particles generated nearly half of the ice formed. Furthermore, analysis of residues from atmospheric ice revealed that a third of ice-forming particles contained lead, suggesting that lead triggers ice formation in natural conditions. They estimate that if lead was present in all ice-forming particles, ice production would increase, and more sunlight would be reflected back to space.

The authors suggest that post-industrial emissions of particulate lead may have offset a proportion of the warming attributed to greenhouse gases.

doi: 10.1038/ngeo499

「注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したプレスリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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