Research press release

月の古代の痕跡

Nature Geoscience

Moon’s ancient scar

月の表側にある広大な嵐の大洋は、月の表面を形成した古代の衝突事件の残存した痕跡である可能性があると、今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。そのような衝突により、なぜ月の表側と裏側とでは岩石の組成が異なるかを説明できるかもしれない。

Ryosuke Nakamura等は、日本の月探査船である、かぐや/セレーネのデータを用いて月表面の組成を研究した。彼らは、ある輝石の鉱物種(月のマントル物質が融解し露出したことを示唆する)が大きな衝突クレーターと直径3000kmの古代の嵐の大洋の周囲に集中していることを示した。彼らは、この発見がこの海が衝突起源であることを示していると示唆している。

研究者たちは、このような大規模の衝突事象が月の表側で元々の地殻を露出させ、新しい、組成が他と異なる地殻を海の内部で形成させたと結論している。

The huge Procellarum basin on the nearside of the Moon may be a relic scar from an ancient impact event that shaped the lunar surface, reports a study published online this week in Nature Geoscience. Such an impact may explain why the nearside and farside of the Moon are composed of different kinds of rock.

Ryosuke Nakamura and colleagues used data from the Japanese lunar orbiter KAGUYA/SELENE to study the composition of the Moon’s surface. They show that a certain type of the mineral pyroxene - indicative of the melting and excavation of material from the lunar mantle - is concentrated around large impact craters and the ancient 3,000-km-diameter Procellarum basin. They suggest that the findings point to an impact origin for this basin.

The researchers also conclude that an impact event of this magnitude would have excavated the original crust on the nearside of the Moon, leading to the formation of a new, compositionally-distinct, crust within the basin.

doi: 10.1038/ngeo1614

「注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したプレスリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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