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シングルセル解析:ヒトの造血を単一細胞・単一バリアントレベルで詳細に解析する

Nature Genetics 51, 4 doi: 10.1038/s41588-019-0362-6

形質の遺伝的多様性が生じる仕組みを解明する上で問題となるのは、広範な連鎖不平衡の存在と、細胞ごとの状態の多様性の注釈付けるが困難なことである。本研究では、UKバイオバンクの血球形質について遺伝学的精密マッピングを行い、推定される原因バリアントを同定した。同定されたバリアントには、その形質に関係のある生物学的経路のタンパク質をコードする遺伝子や、造血前駆細胞の開いたクロマチン領域に位置しているものが多かった。調節領域のバリアントについて、発生学的過程で働くエンハンサーの活性パターンを探索し、作用の分子機構を予測し、標的遺伝子候補を同定した。同一の調節配列や遺伝子に複数の独立したバリアントが位置している例も認められた。さらに、多面効果を有するバリアントが、共通前駆細胞集団において選択的に働き、特定の細胞系統への分化を導くことを観察した。最後に、精密マッピングにより同定されたバリアントをエピゲノムの連続アノテーションと組み合わせることで、密接に関連した細胞集団内および一細胞における形質–細胞型のエンリッチメント解析を行った。本研究は、単一バリアント・単一細胞レベルでの遺伝学的関連解析の包括的な枠組みとなるものである。

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