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統合失調症:統合失調症とクロマチン活性に関するトランスクリプトーム規模の関連解析により疾患の機構に関する知見が得られる

Nature Genetics 50, 4 doi: 10.1038/s41588-018-0092-1

ゲノムワイド関連解析(GWAS)により100以上の統合失調症リスク座位が同定されているが、それがどのように疾患に結び付くかについては解明がほとんど進んでいない。本研究では、Psychiatric Genomics Consortium(精神疾患ゲノミクスコンソーシアム)からの7万9845人を対象とした統合失調症に関するGWASを、主に対照例である3693人の脳、血液、脂肪組織における発現データと統合して、トランスクリプトーム規模の関連解析(TWAS)を実施した。TWASの有意水準を満たす157の遺伝子が同定され、そのうちの35は既知のGWAS座位とは重複しないものであった。これらの157遺伝子のうち42は、独立の試料で測定されたクロマチンの特定の特徴と関連を有しており、調節配列の標的候補として追究する価値があると考えられた。同定された感受性遺伝子の1つであるmapk3をゼブラフィッシュにおいて抑制したところ、神経発生の表現型に有意な影響が認められた。全ての遺伝子について、TWASの結果の大部分が、脳における発現とスプライシングにより説明することができた。関連シグナルを標的となる遺伝子、組織、調節要素と結び付けるこの大規模なアプローチは、GWASの結果の機序を理解するための重要なステップである。

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