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脳卒中:複数祖先集団の52万人を対象にしたゲノムワイド関連解析から、脳卒中および脳卒中サブタイプと関連を示す32の座位を特定

Nature Genetics 50, 4 doi: 10.1038/s41588-018-0058-3

脳卒中には複数の発症要因があるが、その基盤となる遺伝子や経路はほとんど知られていない。今回、52万1612人(症例6万7162と対照45万4450例)を対象とした複数祖先集団のゲノムワイド関連研究のメタ解析を行い、22の脳卒中リスク座位を新たに見いだした。これにより、総計32の脳卒中リスク座位が明らかになったことになる。さらに、遺伝的リスクスコアおよび連鎖不平衡スコアの回帰分析から、個々の座位(n = 18)において、血圧、心臓特性、静脈血栓栓塞などの血管に関連した形質に共通する遺伝的バリアントを同定した。いくつかの座位は異なる関連を示し、脳卒中サブタイプに関する多面発現を示した。大規模な機能データセットを用いた生物情報学的な解析により、リスクバリアントと遺伝子の優先順位付けを行い、11の新規感受性座位の解析を基に、これまでは脳卒中の病態生理と関係付けられていなかった機序が判明した。なお、脳卒中リスク座位には、抗血栓療法の薬剤標的が著しく多く含まれていた。

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