Research press release

地球温暖化は止まらない

Nature Climate Change

Ongoing warming

二酸化炭素の排出が止まれば、全球地表温度が数世紀の時間スケールで安定化すると予測されている。ところが、今後500年間の地表温度は、最初の1世紀間は低下するが、その後、上昇に転じ、そのまま上昇を続けるという新たな予測が示されている。その詳細を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。

今回、Thomas Froelicherたちは、地球システムモデルを用いて、1,800ギガトンの炭素パルスを加えた後の全球的気温の変化をシミュレーションした。1,800ギガトンの炭素パルスは、大気中の二酸化炭素濃度を産業革命以前のレベルの約4倍に引き上げることができる。このシミュレーションでは、この炭素の注入から15~20年後に温暖化がピークに達し、その後の100年間は、気温が低下して、産業革命以前の気温より摂氏1.5度高いレベルになることが判明した。この寒冷化効果は、大気中の二酸化炭素濃度の低下が原因となっており、そのために、地球から宇宙に向かって放射される熱の量が増えるようになる。予想外なのは、このモデルによる予測で、炭素の注入から100~500年後には、摂氏0.37度の温暖化が起こるとされたことで、Froelicherたちは、その原因として海洋による熱の取り込みが弱まることを挙げている。

以上の結果は、地域的な海洋による熱の取り込みと累積炭素排出量に対する地表温度の応答の予測に伴う不確実性を明確に示している。

Halting CO2 emissions is predicted to stabilize global surface temperatures over multi-century timescales. However, a study published online in Nature Climate Change now reports that within the next 500 years, after an initial century of decline, temperatures may then continue to increase.

Thomas Froelicher and colleagues use an Earth system model to simulate how global temperature will change after an 1,800 Gt carbon pulse, which increases atmospheric CO2 concentrations to quadruple that of the pre-industrial world. They find that the carbon injection causes a peak in warming 15 - 20 years after the event, followed by a temperature decrease to 1.5 °C above pre-industrial temperatures in the first 100 years. This initial cooling effect is caused by decreasing atmospheric CO2 concentrations and thus more heat can be radiated back to space from Earth. Surprisingly, the model projects warming of 0.37 °C between 100 and 500 years after the carbon injection, which the authors attribute to the weakening of the ocean heat uptake.

These results highlight the uncertainty associated with both the projection of regional ocean heat uptake and responses of surface temperature to cumulative carbon emissions.

doi: 10.1038/nclimate2060

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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