Research press release

成体マウスで幹細胞から新しい卵子が形成された

Nature Cell Biology

Stem cells generate new eggs in adult mice

哺乳類の卵巣は成体期も、新しい卵を形成する能力をずっと維持しているらしいことが、新たな研究により明らかになった。この知見は、再生医学や生殖医学に重要なかかわりがあると考えられる。

一般に、哺乳類のほとんどの種では、「卵母細胞」として知られている卵子の形成は出生前に終了すると考えられている。最近、若年期から成体期のマウスで、卵巣に細胞複製能がみられることを示す証拠が得られたのにもかかわらず、出生後の哺乳類卵巣中に雌性生殖幹細胞(FGSC)が存在するかどうかについてはまだ議論が続いている。

J Wuたちは、生後5日齢および成体マウスの卵巣から、機能を備えたFGSCを単離したことを報告している。単離されたFGSCは自己複製能をもち、長期間にわたる培養の後でも増殖能が維持された。このFGSCを不妊マウスの卵巣に移植したところ、FGSCから卵母細胞が生じ、薬剤で誘発した不妊の回復が、仔が生まれたことで実証された。生まれた若いマウスには異常はなく、受精能力をもっていることがわかった。

Mammalian ovaries might retain their capacity to generate new eggs during adulthood, suggests a study published online this week in Nature Cell Biology. The finding may have important implications in regenerative and reproductive medicine.

It is currently accepted that, in most mammalian species, the production of eggs, known as 'oocytes', terminates before birth. Despite recent evidence indicating that ovaries exhibit regenerative activity in juvenile and adult mice, the existence of female germline stem cells (FGSCs) in postnatal mammalian ovaries remained controversial.

Ji Wu and colleagues report the isolation of functional FGSCs from the ovaries of 5-day-old and adult mice. Upon isolation, FGSC lines were generated, which were able to maintain their proliferative potential even after long-term culture. When transplanted into the ovaries of infertile mice, FGSCs gave rise to new oocytes and reversed chemically-induced infertility, as demonstrated by the production of offspring. These young mice had no abnormalities and were fertile.

doi: 10.1038/ncb1869

「注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したプレスリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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