Review

末梢の生化学的モニタリングのための体液中分析物の利用

Nature Biotechnology 37, 4 doi: 10.1038/s41587-019-0040-3

末梢の生化学的モニタリングでは、間質液、唾液、涙液、汗などの体液に含まれる分析物を、最小限の侵襲性で、または非侵襲的に測定するために、ウエアラブルデバイスを使用することになる。多くの場合は、血液中を循環する分析物の濃度の代理指標となる測定値を得ることが目的となる。今日までの重要な技術上の発展には、間質液中のグルコースを測定するための留置式センサーニードルを使用する連続的血糖値モニターや、汗に含まれる分析物を連続的に利用するためのデバイス組み込み型の発汗刺激などがある。今後の研究では、新たな電気化学的センシング法による連続センシング技術の開発を進めることが大きな焦点となる。分析物を感知するウエアアラブル技術への投資は活発だが、体液分泌の生理を理解するための取り組みは低調である。試料量、分泌速度、濾過、活性成分のチャネル、変動するpHや塩濃度、分析物の分解、ならびに他の交絡因子に関しては、体液そのものが最大の課題となる場合が多く、技術の進歩を加速させるためには、根底にある生物学の理解が極めて重要である。

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