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TCRシグナル伝達応答性ナノ粒子薬の送達によるT細胞療法の増強

Nature Biotechnology 36, 8 doi: 10.1038/nbt.4181

抗原特異的T細胞を用いる養子細胞療法は、顕著な臨床上の成功を示している。しかし、安全かつ効果的にT細胞の機能を増強する手法は、特に固形がんでは、依然として大きな関心の的となっている。本論文では、タンパク質ナノゲル(NG)を用いて大量の支持タンパク質薬をT細胞に搭載し、T細胞受容体の活性化に応答してその積み荷を選択的に放出させる戦略を紹介する。我々は、抗原認識後のT細胞表面の還元電位上昇に応答して腫瘍微小環境などの抗原遭遇部位のみで薬物を放出する細胞表面結合性NGを設計した。インターロイキン15スーパーアゴニスト複合体を搭載したNGを用いることで、遊離サイトカインの全身投与と比べて、NG送達ではT細胞が腫瘍で選択的に16倍増加し、少なくとも8倍量のサイトカインを毒性なしに投与できることが示された。この治療濃度域の改善により、マウスT細胞療法やヒトキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法によるin vivoでの腫瘍の排除が大幅に増強された。

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