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ゼプトモル量の混合系に含まれるタンパク質の高度に並列的な単一分子同定

Nature Biotechnology 36, 11 doi: 10.1038/nbt.4278

タンパク質の同定および定量は、規模、感度、およびダイナミックレンジの面でDNA塩基配列解読法の後塵を拝している。本論文では、数千から数百万分子のタンパク質それぞれにあるわずかなアミノ酸配列情報を同時に得られることを示す。我々は、ペプチド試料内のシステインおよびリジン残基を選択的な蛍光標識、標識されたペプチドをガラス表面への固定、そして連続的なエドマン分解後の各分子の蛍光の減少を測定するための全反射蛍光顕微鏡による画像化について実証する。各分子について得られたわずかな蛍光配列は、参照データベース中の親タンパク質に割り当てられた。我々は、この方法を、ゼプトモル量の合成ペプチド分子および天然由来ペプチド分子で検証した。また、ホスホセリンの蛍光標識を行うことにより、単一分子のリン酸化部位の位置の読み取りにも成功した。色素標識、持続、および切断の効率は93%を超えており、さらなる改善がなされれば、単一分子配列解読が実現する高い感度およびデジタル定量により、さらに複雑なプロテオーム混合系の研究が可能になると考えられる。

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