Perspective

標準ゲノムによらない複雑なメタゲノム試料中のゲノムおよび遺伝因子の同定および組み立て

Nature Biotechnology 32, 8 doi: 10.1038/nbt.2939

現在のメタゲノムデータ解析法の多くは標準ゲノムとの比較に基づいているが、多くの環境の微生物多様性は、標準データベースがカバーする範囲をはるかに超えている。複雑なメタゲノムデータを、特別な細菌株やウイルスなど、特定の生物体まで新規に分離する、という課題は今なおほとんど解決されていない。本論文では、一連のメタゲノム試料中の同等量遺伝子の分類に基づき、標準配列によらずに新たな微生物、ウイルス、および共遺伝性遺伝因子の包括的な発見を可能とし、微生物ゲノムの組み立てを支援する方法を紹介する。我々は、ヒト腸内マイクロバイオーム試料396点のデータでこの方法の有効性を示し、メタゲノム種(MGS)741種を含む7381組の同等量遺伝子群を発見した。これを利用して質の高い微生物ゲノムを238点組み立て、MGSと数百個のウイルスまたは遺伝因子との関係を明らかにした。我々の方法は、複雑なメタゲノム試料内の多様性のプロファイルを包括的に評価する手段となる。

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