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構造に基づく二量体形成面の再設計は亜鉛フィンガーヌクレアーゼの毒性を低下させる

Nature Biotechnology 25, 7 doi: 10.1038/nbt1317

組換え型亜鉛フィンガーDNA結合タンパク質にFokI切断ドメインをつないだ人工エンドヌクレアーゼは、さまざまな種類の細胞で相同組換えの誘導に有用であることが確認されている。亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)の触媒ドメインが活性を示すには二量体化することが必要であるため、切断部位でサブユニット2個がヘテロ二量体化するのが一般的である。ZFNの利用は重大な細胞毒性を伴うことが多く、これは非特異的部位の切断によるものと考えられる。本論文では構造に基づいて非特異的切断を減少させる方法を紹介する。in silicoのタンパク質モデルおよびエネルギー計算を利用したホモ二量体化の抑制および二量体形成エネルギーの低下により、標的部位を切断する特異性を向上させた。細胞を利用した組換え分析から、改変ZFNが元のZFNと同程度の活性を示す一方で遺伝毒性が有意に低下することが確認された。安全性プロファイルの向上はZFN技術の治療への応用を促進するものと考えられる。

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