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イネのmRNAおよび小型RNAの発現地図

Nature Biotechnology 25, 4 doi: 10.1038/nbt1291

配列が解読されているゲノムで発現している転写物をすべて同定することは、ゲノム解析にもシステム生物学の目標達成にも不可欠である。本研究では、超並列末端固有配列解析(massively parallel signature sequencing;MPSS)法という転写解析技術を用いてイネ(Oryza sativa cv Nipponbare)の包括的な発現地図を作成した。mRNA転写物は22種類のライブラリーから46,971,553個、小型RNAは3種類のライブラリーから2,953,855個の配列を解析した。データはゲノム全体で広く転写が行われていることを示しており、アノテートされている遺伝子は25,500個以上がセンス発現、約9,000個がアンチセンス発現していた。さらに、アノテートされていないゲノム領域にマッピングされるmRNA末端固有配列も約15,000個あった。小型RNAのデータの大半は、反復配列、遺伝子間領域、および遺伝子に対応する低分子干渉RNAが少ないことを示していた。そのなかには、高度に制御された小型RNAのクラスター多数が容易に認められた。我々はこの重要な作物の転写解析データを公開するためのゲノムブラウザ(http://mpss.udel.edu/rice)を開発した。

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