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in vitroでヒトCD34+前駆細胞にshRNAを安定発現させるとsiRNAに対するインターフェロン応答の誘導が回避される

Nature Biotechnology 24, 5 doi: 10.1038/nbt1206

RNA干渉は、細胞質の低分子干渉RNA(siRNA)がRNA誘導サイレンシング複合体に取り込まれ、一方の鎖がArgonaute 2タンパク質による標的RNAの切断を導くことによって生ずる。ヒト細胞でsiRNAを用いる場合、または短いヘアピンRNA(shRNA)を発現させる場合には、インターフェロン(IFN)応答の活性化が重大な問題となる。ある種のモチーフをもつ合成siRNAは、末梢血単核細胞や単球、形質細胞様樹状細胞(pDC)、非形質細胞様樹状細胞(mDC)などマウスおよびヒトの免疫細胞に導入すると、免疫応答を誘発する場合がある。本研究では、CD34+前駆細胞に由来する初代培養造血細胞を用い、脂質で導入するsiRNAとPol IIIプロモーターで発現するshRNAとを比較した。この系により、脂質で導入するsiRNAがIFNαおよびI型IFN遺伝子の発現を強力に誘導するのに対し、同じ配列が細胞内で発現した場合には免疫刺激性が表れないことが明らかにされた。

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