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Nature Machine Intelligence に掲載された一次研究論文(Articles および Letters)について、その概要を日本語で紹介しています。

Article: COVID-19患者に関する解釈可能な死亡予測モデル

An interpretable mortality prediction model for COVID-19 patients

doi: 10.1038/s42256-020-0180-7

COVID-19患者の重症度の臨床評価を早期に正確に実施することは、逼迫した病院資源の配分を計画する上で不可欠である。中国・武漢市の485人の患者から採取した血液検体データに基づいて訓練された説明可能な機械学習ツールは、個々の患者の死亡を高い精度で予測する3つのバイオマーカーを選択した。

Comment: COVID-19への世界の対応を支援するための人工知能の協力

Artificial intelligence cooperation to support the global response to COVID-19

doi: 10.1038/s42256-020-0184-3

科学界が先例のない共同研究に取り組む中で、幅広い分野の研究者たちがCOVID-19への対応の支援に乗り出している。AIツールで世界的規模の影響を与えるためには、データ、モデル、コード共有のためのスケーラブルなアプローチ、ローカルコンテンツへのアプリの適合、そして国境を越えた協力が必要となる。

Article: ニューロモーフィック嗅覚回路における迅速なオンライン学習とロバストな想起

Rapid online learning and robust recall in a neuromorphic olfactory circuit

doi: 10.1038/s42256-020-0159-4

脳の回路レベルの構造に関する知識をニューロモーフィックな人工システムに組み込むことは、困難だが魅力的な研究課題である。著者らは、哺乳類の嗅球の構造に基づき、IntelのLoihiニューロモーフィックチップ上に実装された、匂い物質シグナルの学習およびノイズ下でのロバストな同定を行うニューラルアルゴリズムを示す。

Review Article: データ駆動型機械学習を利用した電池の充電状態と健全さの予測

Predicting the state of charge and health of batteries using data-driven machine learning

doi: 10.1038/s42256-020-0156-7

電池の充電状態や残存寿命などの特性を予測することは、電池の製造法の改良、利用およびエネルギー貯蔵の最適化にとって重要である。著者らは、機械学習の手法とハイスループット実験がいかにしてこの問題へのデータ駆動型アプローチを提供するかを論じ、電池の状態を高速かつ正確に予測するモデルの構築の難しさを強調する。

Perspective: サイバーセキュリティーにおいて人工知能を信じることは諸刃の剣

Trusting artificial intelligence in cybersecurity is a double-edged sword

doi: 10.1038/s42256-019-0109-1

現在、いくつかの政府の国家サイバーセキュリティー戦略や防衛戦略がAIの利用を明言している。しかし、AIの利用に関するスタンダードと認証手順を開発し、脅威の継続的な監視と評価を行うことが重要である。集中的に取り組むべきは、ユーザーにAIを信頼させることではなく、AIベースのシステムを信頼に値するものにすることである。

Article: タンパク質の金属結合部位での疾患関連変異をディープラーニングを用いて予測

Predicting disease-associated mutation of metal-binding sites in proteins using a deep learning approach

doi: 10.1038/s42256-019-0119-z

金属はタンパク質に結合することで重要な生物学的機能を果たすことができる。そのため、変異が生じた結合部位の特性を予測することは、特定の変異と、その変異が疾患において果たす役割との関係を理解する助けとなる。

Article: 最小限の実験セットによる薬剤併用効果の予測

Prediction of drug combination effects with a minimal set of experiments

doi: 10.1038/s42256-019-0122-4

薬剤の組み合わせはしばしば複雑な疾患を管理するための効果的な手段となるが、薬剤の組み合わせの相乗効果を理解するには広範なリソースが必要である。著者らが開発した効果的な機械学習モデルは、限られた数の用量-反応ペアの測定を行うだけで、薬剤の相乗的および拮抗的な組み合わせを正確に予測することができる。

Article: ディープラーニングを用いた下肢X線写真の自動異常検出

Automated abnormality detection in lower extremity radiographs using deep learning

doi: 10.1038/s42256-019-0126-0

さまざまな視野角や身体部位にわたる医療画像で異常を特定することは時間のかかる作業である。ディープラーニングは放射線科医を支援し、患者のトリアージの判断を改善する有望な技術である。新しい研究では、リソースの限られた状況のもとでのこうしたアプローチの実行可能性についてテストを行い、下肢X線写真の異常検出のタスクについて、事前トレーニング、データセットサイズ、ディープラーニングモデルの選択の効果を検証した。

Article: 人間-ロボット間相互作用のためのポータブルな3自由度の力フィードバック折り紙ロボット

A portable three-degrees-of-freedom force feedback origami robot for human–robot interactions

doi: 10.1038/s42256-019-0125-1

ハプティックインターフェースは、没入型の人間-機械相互作用の開発にとって重要である。リッチな触覚機能を備えたコンパクトなデザインを作り出すため、平らに折り畳むことができ、3自由度の力フィードバックをレンダリングできるロボットデバイスFoldawayが設計された。

Article: 子供のようなロボットにおける数字の知識の発達

Developing the knowledge of number digits in a child-like robot

doi: 10.1038/s42256-019-0123-3

数字の処理は身体システム、特に指の動きと結びついている。著者らは認知発達ロボティクスの文脈で畳み込みニューラルネットワークモデルを適用した。彼らは子供のようなロボットiCubにおける固有感覚情報が、数字音声の精度と認識を改善することを示した。

Article: ストップワード同定のための普遍的な情報理論アプローチ

A universal information theoretic approach to the identification of stopwords

doi: 10.1038/s42256-019-0112-6

自然言語からよりよく意味を抽出するために、モデルを訓練する前に情報の少ない単語を取り除くことがあるが、それは通常、人力でキュレートしたストップワードリストを用いて行われる。新しい情報理論アプローチでは、情報の少ない単語を自動的かつより正確に同定することができる。

Perspective: 原則だけでは倫理的なAIを保証できない

Principles alone cannot guarantee ethical AI

doi: 10.1038/s42256-019-0114-4

多くのAI倫理イニシアチブは、医療倫理の4つの古典的な原則によく似た一連の原則にまとまってきたようである。これに対してBrent Mittelstadtは、医療の実践とAIの開発との重要な違いを強調し、AIには原則に基づくアプローチがうまくいかない場合があることを示唆する。

Article: 画像分類の判断の理解とニューラルネットワークのロバストネスの改善のための敵対的説明

Adversarial explanations for understanding image classification decisions and improved neural network robustness

doi: 10.1038/s42256-019-0104-6

ディープニューラルネットワークは、人間には感知できないようなわずかな変化が入った場合に画像の誤分類を引き起こす可能性がある。この可能性は、一部のネットワークではモデルの信頼性に疑問を投げかけるものの、よりロバストな正則化を用いるネットワークの説明可能性も提供する。

Article: 人間-機械の協力における透明性と有効性のトレードオフに関する行動の証拠

Behavioural evidence for a transparency–efficiency tradeoff in human–machine cooperation

doi: 10.1038/s42256-019-0113-5

アルゴリズムやボットは、ある種の行動については人間以上の能力を示す。しかしながら人間は、他の人間を信頼するほどにはアルゴリズムを信頼しない傾向がある。著者らは、ある種の人間-機械相互作用では、ボットが人間ではないことを開示しない場合にかぎり、人間よりもよく協力を引き出せることを明らかにした。

Article: 特徴を誇張した顔についての深層畳み込みニューラルネットワーク

Deep convolutional neural networks in the face of caricature

doi: 10.1038/s42256-019-0111-7

人間の顔認識は、視点、照明、表情、外観の変化に対してロバストである。著者らは、顔の特徴を誇張して同一性情報の強さを操作することにより、深層畳み込みニューラルネットワークにおける顔認識について調べた。著者らは、ネットワークが高度に組織化された顔の類似性構造を作り出し、そこでは同一性と画像が共存していることを見いだした。

Article: 脳から着想を得た大規模な光コンピューターによる人間の動作認識

Human action recognition with a large-scale brain-inspired photonic computer

doi: 10.1038/s42256-019-0110-8

光コンピューターデバイスは、ニューラルネットワークを実装するための高速でエレルギー効率の良いアプローチとして提案されている。Antonikらは既製のコンポーネントを利用し、光ニューラルネットワークを使ってビデオストリームの中のさまざまな形の人間の動作を認識するリザーバーコンピューターを実証した。

Article: 畳み込みニューラルネットワークにより急性骨髄性白血病中の芽細胞を人間レベルで認識する

Human-level recognition of blast cells in acute myeloid leukaemia with convolutional neural networks

doi: 10.1038/s42256-019-0101-9

ディープラーニングは現在、デジタル病理学を変容させており、より信頼度が高く、より迅速な臨床診断を支援している。有望視されている用途は、悪性の白血球細胞の認識である。悪性の白血球細胞の認識は、急性骨髄性白血病を発見するために必要不可欠なステップであるが、訓練された人間の検査士にとっても難しい。今回、18,000以上の白血球細胞のアノテーションされた画像データセットを収集し、これを用いて白血球の分類のための畳み込みニューラルネットワークを訓練した。このネットワークは最も重要な細胞種を高い精度で分類し、臨床に関連した二者択一の判断において人間レベルのパフォーマンスを示した。

Perspective: 感じるマシンの設計におけるホメオスタシスとソフトロボティクス

Homeostasis and soft robotics in the design of feeling machines

doi: 10.1038/s42256-019-0103-7

ロボットや機械は、概して特定のタスクを実行するように設計される。人間とは違い、それらには外界との相互作用にもとづいて感覚を生成する能力が欠けている。著者らは、ホメオスタシスの原理と、ソフトロボティクスおよび多感覚統合の分野の進展にもとづく、感覚に似た評価プロセスを備えた新しいクラスの機械を提案する。

Article: 疎なデータでのディープラーニング光音響トモグラフィー

Deep learning optoacoustic tomography with sparse data

doi: 10.1038/s42256-019-0095-3

光音響イメージングは高い空間的・時間的解像度を達成できるが、最適とは言い難いデータ収集により画質が低下することが少なくない。このほど、ディープラーニングを用いて、疎な、もしくは視野が制限された光音響スキャンから高品質な画像を回復させる新しい手法が開発され、マウスの全身in vivoイメージングの実証が行われた。

Article: ヒストグラムマッチングでサイクル一貫性のある敵対的生成ネットワークによる教師なしデータからコンテンツへの変換

Unsupervised data to content transformation with histogram-matching cycle-consistent generative adversarial networks

doi: 10.1038/s42256-019-0096-2

機械学習モデルを学習させるためにトレーニングデータをラベルづけするのは非常に時間がかかるものである。新しい手法では、生成されたデータからコンテンツ変換を効率よく学習させることができ、セグメンテーションや分類のタスクにおいて人力でラベリングを行う必要がない。

Article: 複雑な多要素拡張系で共変力を直接予測する高速ニューラルネットワークアプローチ

A fast neural network approach for direct covariant forces prediction in complex multi-element extended systems

doi: 10.1038/s42256-019-0098-0

リチウムイオン電池のような複雑な材料を調べるには、通常、計算コストの高い量子力学計算が必要となるが、ニューラルネットワーク力場の手法を用いることで、こうした計算を回避することができる。Mailoaらは、回転不変および回転共変の両方の特性を独立に利用するアーキテクチャーにより、このアプローチを加速させる。

Article: CT画像でリスク臓器を輪郭描画する臨床応用可能なディープラーニングフレームワーク

Clinically applicable deep learning framework for organs at risk delineation in CT images

doi: 10.1038/s42256-019-0099-z

放射線治療により健康な組織が損傷されることがないように、専門の放射線科医はCTスキャン画像を個々の臓器に分割する必要がある。ディープラーニングベースの新しい手法は、人間の専門家よりも速く、より正確に、頭頸部の臓器の輪郭描画を実行できる。

Perspective: 世界のAI倫理ガイドラインの現状

The global landscape of AI ethics guidelines

doi: 10.1038/s42256-019-0088-2

AI技術が急速に発展するにつれ、安全で公正な社会実装には倫理的なガイドラインが必要であることが広く認識されるようになっている。しかし、「倫理的なAI」とは何かという問題について万人が同意することは可能なのだろうか? 国内および国際的な組織、企業、研究所からの84のAI倫理報告書を詳細に分析してこの点を探ったところ、基本原則への収斂が見られたものの、実際の実装に関してはかなりの相違があることが明らかになった。

Article: 人間とロボットによる器用な筋電プロテーゼの協調比例制御

Shared human–robot proportional control of a dexterous myoelectric prosthesis

doi: 10.1038/s42256-019-0093-5

工学的進歩の組み合わせは、ユーザーの残存筋活動によって制御する筋電義手を可能にすることが期待される。機械学習アルゴリズムにより表面筋電図から微細な指の動きをデコードし、物体を把持する間のみアクティブとなって接触面の最大化を支援するようなロボットコントローラーと組み合わせる。こうした協調制御スキームは、高度な器用さが求められる際にユーザー自身が制御する動きを可能にするだけでなく、頑強さが求められる際に把持動作を支援することもできる。

Article: 頭皮に装着できる柔軟な電子機器とディープラーニングアルゴリズムが可能にした完全に持ち運び可能でワイヤレスかつユニバーサルなブレイン・マシン・インターフェース

Fully portable and wireless universal brain–machine interfaces enabled by flexible scalp electronics and deep learning algorithm

doi: 10.1038/s42256-019-0091-7

定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用いたブレイン・マシン・インターフェースは治療への応用が有望視されている。2つのチャンネルと任意の被験者からの電位を分類するべく、フレキシブルエレクトロニクスやソフトエレクトロニクスとディープラーニングのアプローチにおける革新を組み合わせて、コンパクトでワイヤレスかつユニバーサルなSSVEPインターフェースが設計された。被験者は新しいブレイン・マシン・インターフェースを装着している間、目の動きで車椅子をリアルタイムに操作することができる。

Article: データ解析と機械学習のための群同変で非拡張な演算子のトポロジー-幾何学理論に向けて

Towards a topological–geometrical theory of group equivariant non-expansive operators for data analysis and machine learning

doi: 10.1038/s42256-019-0087-3

ディープニューラルネットワークで情報の流れと表現を制御することは、ネットワークを理解可能にするための基礎となる。Bergomiらは、データを表現するための可能な演算子の空間が対称性を用いて制限されるような数学的枠組みを提案する。この制限された空間はなおも機械学習に適していて、演算子は最適化のために効率的に計算、近似、パラメーター化されうる。

Article: フィードフォワードおよびリカレント畳み込みメモリスタネットワークのin situトレーニング

In situ training of feed-forward and recurrent convolutional memristor networks

doi: 10.1038/s42256-019-0089-1

メモリスタデバイスはエネルギー効率の良いニューラルネットワークの実装を提供できるが、異なるネットワークアーキテクチャーに合わせて調整されなければならない。WangらはメモリスタベースのCNNやConvLSTM向けの訓練可能な重み共有メカニズムを開発し、精度を損なうことなく重みの数を75%減らすことができた。

Challenge Accepted: 確率的オブジェクト検出コンペ

A probabilistic challenge for object detection

doi: 10.1038/s42256-019-0094-4

ロボットが現実世界で安全に動作するためには、自分が見ているものについてどの程度確信があるか評価する必要がある。新しいコンペでは、コンピュータービジョンアルゴリズムに対して、オブジェクトを検出して位置を特定するだけでなく、どの程度確信があるかを報告することも求める。

Perspective: ロボット・マニピュレーションと成功度の測定基準におけるタスクの役割

Robotic manipulation and the role of the task in the metric of success

doi: 10.1038/s42256-019-0078-4

従来のロボットによる把持動作は物体を操作することに注目しており、動作の目的やそれに伴うタスクを考慮していないこともしばしばである。著者らはタスクそれ自体に基づいて操作の成功度を測定するための新しい基準を提案する。

Article: ディープニューラルネットワークを用いたab initioタンパク質構造予測のためのフラグメントサンプリングの改良

Improved fragment sampling for ab initio protein structure prediction using deep neural networks

doi: 10.1038/s42256-019-0075-7

タンパク質構造予測へのアプローチの1つは、既知のタンパク質構造から抽出されたテンプレートフラグメントから候補となる構造を組み立てることである。Wangらは、ディープニューラルネットワークアーキテクチャーを比較的小さいが解像度の高いフラグメントのデータセットと組み合わせることで、タンパク質構造予測に用いるサンプルフラグメントライブラリの質を改良できることを示す。

Article: 深層強化学習と探索でルービックキューブを解く

Solving the Rubik’s cube with deep reinforcement learning and search

doi: 10.1038/s42256-019-0070-z

組み合わせパズルには、解が最適であることを証明できるものと、状態空間が大きすぎて解が最適であることを証明できないものがある。深層学習ベースの新しい検索ヒューリスティクスは、組み合わせパズルの象徴とも言えるルービックキューブを解き、最適なソルバーでの解決が困難なパズルへと一般化することができる。

Article: ニューラルネットワークにおけるコンテキスト依存処理の継続学習

Continual learning of context-dependent processing in neural networks

doi: 10.1038/s42256-019-0080-x

複数の問題を解くべく再訓練されたニューラルネットワークは、先に学習したことを忘れる傾向がある。著者らは今回、こうした「破滅的忘却問題」を回避する方法として直交重み修正を提案する。新たに導入されたモジュールは、この能力を活用して、ネットワークがコンテキスト依存処理を継続的に学習できるようにする。

Article: 既知の演算子による学習は最大エラーバウンドを減らす

Learning with known operators reduces maximum error bounds

doi: 10.1038/s42256-019-0077-5

ディープニューラルネットワークは、導出可能であるかぎり、任意の数学的演算子を含むことができる。筆者らは、問題に関連する演算子を利用することで、問題に関する知見を機械学習に組み込む方法を探る。

Challenge Accepted: ワールドロボットサミット2020

Robotics on a mission

doi: 10.1038/s42256-019-0081-9

来年の夏、東京2020オリンピックで人間の可能性を讃えるべく世界の国や地域が日本に集結した直後、同じく日本の主催によりロボット競技者向けの国際コンペティションが開催される。

Review Article: 大規模データセットのアルゴリズム解析に向けて

Towards algorithmic analytics for large-scale datasets

doi: 10.1038/s42256-019-0069-5

多くの経験科学における従来型の統計解析は、大規模データセットの解析について、近年の傾向に遅れをとっている。著者らは、経験科学における変数の増加、サンプルサイズの増加、解析や評価のためのオープンデータソースの使用、そして「ブラックボックス」的な予測手法の影響について議論し、画像神経科学からの例を示す。

Article: 人工知能とルール駆動型化学合成の混合による自動化された新規化合物デザイン

Automated de novo molecular design by hybrid machine intelligence and rule-driven chemical synthesis

doi: 10.1038/s42256-019-0067-7

人工知能を利用したアプローチは、医化学者が薬物様特性を持つ新しい化学物質を創造的に探し出すための助けとなりうる。機械学習モデルと組み合わされたルールに基づくアプローチは、化学特許文書に記載された有効な合成経路により訓練された。このプロセスは、既知の薬物を模倣するコンピューター生成化合物を生み出した。

Article: ディープラーニングによる脳腫瘍組織形態学の特徴量エンジニアリングとオントロジーマッピング

Intelligent feature engineering and ontological mapping of brain tumour histomorphologies by deep learning

doi: 10.1038/s42256-019-0068-6

ニューラルネットワークはデジタル病理学ツールとして有望視されているが、その限定された説明能力によってしばしば批判を受けている。Faustらは、機械学習された特徴量が人間に理解できる組織学的パターンやグルーピングとどのように相関するかを示すことで、医療分野におけるディープラーニングツールの透明性の向上を可能にしていることを示す。

Article: ネットワーク上のフレームワークを用いて自由記述式アンケートの回答を民主的に分類する

Democratic classification of free-format survey responses with a network-based framework

doi: 10.1038/s42256-019-0071-y

自由記述式アンケートに対する個々の回答を分類する作業は主観的で時間がかかるものである。ネットワーク上の調査フレームワークは、統計的な原理にもとづく方法で回答を自動的に分類する。

Challenge Accepted: AI、『アングリーバード』に出会う

AI meets Angry Birds

doi: 10.1038/s42256-019-0072-x

AIが人気のビデオゲーム『アングリーバード』を人間以上に上手にプレイするようになるのは今年だろうか? 年に一度のアングリーバードAI(AIBIRDS)コンペティションのオーガナイザーたちが、関連する課題について論じる。

Article: 低線量CT画像再構成のための市販のアルゴリズムに匹敵する性能のモジュール化ディープニューラルネットワーク

Competitive performance of a modularized deep neural network compared to commercial algorithms for low-dose CT image reconstruction

doi: 10.1038/s42256-019-0057-9

医療用CTスキャンの照射線量を減らすことで、より低侵襲の画像撮影が可能になるが、一般的なCTスキャンで得られるのと同等の品質の画像を再構成する手法が必要となる。Wangらは本報告で、ディープラーニングのアプローチを放射線科医からのフィードバックと組み合わせることで、現在の市販の手法を用いた場合と同等以上の品質の再構成画像ができることを示している。

Article: ディープラーニングを通じた脳アトラスの開発

Developing a brain atlas through deep learning

doi: 10.1038/s42256-019-0058-8

いかなる事前処理ステップからも独立で、軽度な画像変換に対してロバストな、ハイスループットの脳イメージ位置合わせ手法は、脳発生における領域特有な変化の研究を加速することが期待される。このほど、人間による最小限の教師データを用いて関心のある脳領域を領域分けすることで自動的に位置合わせを行う、ディープラーニングを利用した手法が開発された。

Challenge Accepted: 高エネルギー物理学の点をつなぐ

Connecting the dots in high-energy physics

doi: 10.1038/s42256-019-0061-0

CERNの大型ハドロン衝突型加速器が生成するペタバイト級のデータの処理では、高エネルギー陽子衝突から粒子の軌跡を再構成するステップが重要となる。これまでとは桁違いの速さを求める物理学者たちは、コンピューターサイエンスコミュニティーに接触した。

Article: 流体の外乱補償と運動制御のための知能ロボットの分散センシング

Distributed sensing for fluid disturbance compensation and motion control of intelligent robots

doi: 10.1038/s42256-019-0044-1

自律型の空中ロボットや水中ロボットの正確な操縦には流体力の詳細な情報が必要になるが、乱流中の流体力の測定は特に困難である。自律型無人潜水機(AUV)の制御法として、魚の「側線」によるセンシングをヒントにしたインテリジェントな分散センシングを利用することができる。多くの種類の魚が、側線を使って周囲の水流を感じ、乱流によって流される前に即座に反応している。同様に、このようなセンサーシェルを搭載したAUVは、外乱を補償し、位置検出の精度を改善することができる。

Article: タンパク質の機能予測やエンジニアリングのためにニューラルネットワークの暗黙知を利用する

Leveraging implicit knowledge in neural networks for functional dissection and engineering of proteins

doi: 10.1038/s42256-019-0049-9

ディープニューラルネットワークはタンパク質の機能予測に威力を発揮するが、タンパク質配列の中で機能に関連する特定の部位を同定するのはまだ困難である。オクルージョンベースの感度技術は、これらのディープニューラルネットワークの解釈に役立ち、機能に関連するタンパク質部位を見つけることによってタンパク質エンジニアリングの指針となることができる。

Article: ディープラーニングによる病理学者レベルの解釈可能な全スライドがん診断

Pathologist-level interpretable whole-slide cancer diagnosis with deep learning

doi: 10.1038/s42256-019-0052-1

現在の診断病理学は人間の専門知識を必要とする部分が大きく、評価者により大きなばらつきが生じることが多い。全スライド病理学の手法は、人工知能を用いて予測プロセスを自動化し、コンピューター支援の診断を提供する。

Analysis: ノンコーディングRNAの分類におけるディープラーニングの評価

Evaluation of deep learning in non-coding RNA classification

doi: 10.1038/s42256-019-0051-2

タンパク質をコードしないRNAストランドの多くの機能はいまだに解明されていない。ノンコーディングRNAのさまざまなグループを分類するための各種の手法においてディープラーニングを用いることが増えているが、状況は多様であり、前進するためには手法を分類し、ベンチマークする必要がある。著者らは6つの最新のディープラーニングによるノンコーディングRNA分類法を吟味し、そのパフォーマンスとアーキテクチャーの比較を行う。

Challenge Accepted: 動物・AIオリンピック

The Animal-AI Olympics

doi: 10.1038/s42256-019-0050-3

新しいコンペがAIエージェントの動物知能をテストするための認知課題を提示する。

Perspective: 自然知能の愚かさの研究から得られた教訓を人工知能にいかす

Lessons for artificial intelligence from the study of natural stupidity

doi: 10.1038/s42256-019-0038-z

人工知能や機械学習システムはバイアスを再現したり増幅したりすることがある。著者らは人間の学習や意思決定のバイアスに関する文献について議論し、研究者や政策立案者や一般市民が機械によるアウトプットや決定を評価する際には、そうしたバイアスを意識するべきであると提案している。

Article: 単語のベクトル表現から文脈に特有の相互作用ネットワークを構築する

Context-specific interaction networks from vector representation of words

doi: 10.1038/s42256-019-0036-1

生物医学論文は豊かな知識源であるが、十分に活用されているとは言いがたい。INtERAcTは、分子相互作用を推定するために、がん関連の論文のコーパスで訓練された単語の埋め込みを利用している。このアルゴリズムは、小さなサイズのコーパスでも、10種類のがんに関連する分子パスウェイを再構築することができる。

Article: モデルベースのディープラーニングアプローチによるシングルセルRNA-Seqデータのクラスタリング

Clustering single-cell RNA-seq data with a model-based deep learning approach

doi: 10.1038/s42256-019-0037-0

シングルセルRNAシーケンシングデータセットにおける細胞群のクラスタリングは、複雑な生物学的問題に対して高解像度の情報を産み出しうる。しかしながら、RNAキャプチャー率が低いために統計的にも計算科学的にも困難で、大量の誤ったゼロカウントが観測される。scDeepClusterと名づけられたディープラーニングのアプローチは、欠失値を明示的に特徴付けるモデルをクラスタリングと効率よく組み合わせており、高いパフォーマンスを示すだけでなく、スケーラビリティも改善しており、計算時間はサンプルサイズに比例して増加する。

Review Article: 人工システムと生体システムにおける強化学習

Reinforcement learning in artificial and biological systems

doi: 10.1038/s42256-019-0025-4

人工エージェントにおける機械学習に関する研究では、静的な環境内での1つの複雑な問題が注目されている。生体エージェントの研究では、柔軟で動的な環境に埋め込まれた単純な学習問題が注目されている。著者らはこれらのトピックスに関する文献をレビューし、両者の相乗効果が期待される分野を示す。

Article: 限られた経験による腱駆動式ロボット肢の自律的で機能的な運動

Autonomous functional movements in a tendon-driven limb via limited experience

doi: 10.1038/s42256-019-0029-0

ロボットが複雑なタスクを行うためには、自身と動的な環境との関係を学習する必要がある。ハードウェアとソフトウェアのデザインへの生物学的に妥当なアプローチは、腱駆動式のロボット肢が短時間の学習にもとづいて効果的に運動できることを示している。

Article: 生成モデルによる量子状態の再構成

Reconstructing quantum states with generative models

doi: 10.1038/s42256-019-0028-1

今日の量子技術は数十キュービットでの計算を可能にしており、まもなく数百キュービットでの計算も可能になると考えられている。完全な量子状態の測定と評価は、システムサイズとともに指数関数的に増大するタスクであり、大きな未解決課題になっている。制限ボルツマンマシンと再帰型ニューラルネットワークにもとづく生成モデルは、この量子トモグラフィー問題をスケーラブルな方法で解決するのに利用できる。

Perspective: フィクションと現実世界における知能機械への希望と不安

Hopes and fears for intelligent machines in fiction and reality

doi: 10.1038/s42256-019-0020-9

人工知能をテーマにした300点のフィクションとノンフィクションの調査から、人々が想像する知能機械への希望と、それに対応する不安が、4つのカテゴリーに分類できることが明らかになった。これらの認識は、現在のテクノロジーで現実的に可能かどうかとは別に、AIの科学的な目標や一般市民の理解や規制に影響を及ぼすものである。

Perspective: 人工知能研究における引用グラフの変化

The evolution of citation graphs in artificial intelligence research

doi: 10.1038/s42256-019-0024-5

過去と現在のAI研究の計量書誌学的解析の結果、AI研究の影響が関連分野に広がりにくくなっていることが分かった。これはAI研究者と関連する社会科学分野の研究者との意見交換が困難になっていることを意味しているのかもしれない。

Article: Whetstone(砥石)法でのバイナリ通信のためのディープニューラルネットワークの訓練

Training deep neural networks for binary communication with the Whetstone method

doi: 10.1038/s42256-018-0015-y

神経形態学的プロセッサーはディープラーニングのための低電力プラットフォームとして有望視されているが、バイナリ通信に適合したニューラルネットワークを必要とする。Whetstone(砥石)法は、訓練過程で活性化関数を徐々に鋭くしていくことによりこれを達成している。

Article: 人間の生存予測のためのディープラーニング心運動解析

Deep-learning cardiac motion analysis for human survival prediction

doi: 10.1038/s42256-019-0019-2

全層畳み込みニューラルネットワークを用いて、心臓画像の時間分解3次元高密度分割が作り出された。この高密度の運動モデルは、人間の生存を効率よく予測できる4Dsurvivalという教師ありシステムへの入力となる。

Article: DNAへのフィードバックGANがタンパク質機能を最適化する

Feedback GAN for DNA optimizes protein functions

doi: 10.1038/s42256-019-0017-4

機械学習における生成モデルは、合成生物学の分野でDNA配列やタンパク質やその他の高分子などの新しい構造を見つけ出すのに用いられ、創薬や環境処理や製造業への応用が期待されている。GuptaとZouは、合成遺伝子を生成する敵対的生成ネットワーク(GAN)の出力を最適化して抗菌ペプチドを特異的にコードする遺伝子を作出するためのフィードバックループ構造を提案しin silicoで例示する。

Article: 医療画像解析におけるニューラルネットワークの訓練を簡便にするための統合的な繰り返しアノテーション技術

An integrated iterative annotation technique for easing neural network training in medical image analysis

doi: 10.1038/s42256-019-0018-3

医療画像データのアノテーションは生物学のエキスパートを必要とする。人間-機械間のインターフェースは、ディープラーニングの画像分割システムと、画像をアノテーションづけするための閲覧ソフトウェアの画像とを結びつけるものである。

Perspective: 身体化人工知能の材料から機械までの進化

Evolving embodied intelligence from materials to machines

doi: 10.1038/s42256-018-0009-9

計算材料技術、付加製造法と除去製造法、進化計算法の進歩に基づくロボット工学の新しいビジョンから、特定の業務や環境条件に特化したさまざまな専門的なロボットの設計法が見えてくる。

Perspective: 医療分野の意思決定への機械による支援には不確かさの定量化が必要

The need for uncertainty quantification in machine-assisted medical decision making

doi: 10.1038/s42256-018-0004-1

ディープラーニングの応用の中でも特に有望で重要なのは、おそらく医学研究と医療分野の意思決定の支援である。今こそディープラーニング過程に内在する不確かさを系統的に定量化する手法を開発する時期であり、これによりAIに基づくアプローチの実用可能性への信頼度を高めることができる。

Review Article: ニューロ進化によりニューラルネットワークをデザインする

Designing neural networks through neuroevolution

doi: 10.1038/s42256-018-0006-z

広く用いられている誤差逆伝搬法というトレーニング法などにより、ディープニューラルネットワークは、ある種の機械学習タスクについては大成功をおさめるようになってきている。ニューラルネットワークを最適化するもう1つの方法は進化アルゴリズムを用いることである。進化アルゴリズムは、計算力の向上に支えられて、新しいタイプの能力や学習様式を提供している。

Article: 人-ロボット間の多用途の物理的相互作用における微分ゲーム理論

Differential game theory for versatile physical human–robot interaction

doi: 10.1038/s42256-018-0010-3

ロボットは人間の行動を推定して適応する必要があり、人間の動きが時間とともに変化する場合には特にその必要が大きくなる。今回、適応型ゲーム理論コントローラーが、リーチング課題における人間の行動へのロボットの適応を助けることが示された。

Article: 学習可能性も決定不可能になりうる

Learnability can be undecidable

doi: 10.1038/s42256-018-0002-3

ゲーデルの有名な不完全性定理によれば、すべての数学的な問いが解けるわけではない。機械学習についても同様に決定不可能な場合があることが、学習可能性を証明することも反証することもできない問題例によって示された。

Article: メモリスタクロスバーアレイにおける長短期記憶ネットワーク

Long short-term memory networks in memristor crossbar arrays

doi: 10.1038/s42256-018-0001-4

ディープニューラルネットワークはデータ集約型アプリケーションで広く用いられるようになってきたが、電力を大量に消費する。ディープラーニングのタスクには、データの処理と計算を同じユニットで行うメモリスタアレイのような新しいタイプのコンピューターチップが必要である。よく使われているLong short-term memory(LSTM、長短期記憶)というディープラーニングモデルは、時系列データ分析を扱うことができるが、これをメモリスタクロスバーアレイに実装することで、エネルギー効率が良く資源消費量の少ないディープラーニングプラットフォームが期待できる。

Article: アルゴリズム生成モデルによる原因解析

Causal deconvolution by algorithmic generative models

doi: 10.1038/s42256-018-0005-0

ほとんどの機械学習アプローチは、根本となる原因機構ではなく統計的な特性をデータから抽出している。これとは異なるアプローチでは、計算可能性とアルゴリズム情報理論の枠組みのもと、生成モデルを用いてデータから再帰的パターンを抽出する一般的な方法で情報を解析している。

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