Nature Medicine 目次

Volume 23 Number 9

表紙について

大うつ病性障害(MDD)は男女で症状に差のある消耗性症候群である。Labontéたちは今回、MDD患者の脳の複数の領域で、男女で大幅に異なる転写シグネチャーが見られることを明らかにした。また、これらの知見を、ストレスの動物モデルで再現して遺伝子ネットワークの活動を変化させることで、そうした変化が性特異的な形でニューロン活動やストレス感受性に関与していることを実証した。今回の結果は、男女のMDDが性特異的な転写変化に起因している可能性があり、このような性特異的な転写変化が類似の症状特性を引き起こすことで最終的に病態が収束していることを示唆している。
RESOURCE p. 1102

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注目のハイライト

その他のハイライト

Editorial

News

NEWS FEATURE:免疫系にがんを見つけさせる:免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする免疫療法薬は、がん治療に改革をもたらした。その仕組みはT細胞にかかっているブレーキを解除して自身の免疫系をがんに向かわせるというものだが、こうした免疫療法薬はどの患者にも有効なわけではなく、イピリムマブなどのチェックポイント阻害剤を単独投与した場合に反応が得られるのは、多様ながんの約20%にすぎない。その理由の1つは免疫系が十分に働かないことにあるらしい。そこでT細胞が、タフながん細胞を攻撃しやすくなる条件、例えばサイトカインを併用して制御性T細胞を働きに...

Uncovering cancer: How enlisting T cells can boost the power of immunotherapy p.1006

doi: 10.1038/nm0917-1006

NEWS FEATURE:新しい抗うつ剤は免疫系を標的とする?:梅毒による精神障害をマラリア感染による発熱で治療するマラリア療法は画期的なもので、かなりの成果が見られ、考案者は1927年にノーベル賞を受賞しているが、なぜこのような効果があるのかは、明らかになっていなかった。しかし最近になって、免疫系と精神疾患との関係が次第に注目されるようになり、マラリア療法の効果も抗炎症性タンパク質の産生によって説明できるのではないかと考えられるようになってきた。7月に報告された、重症うつ病の患者113人の血液サンプルを調べた研究からは、過剰発現している90個の遺伝子の多くが免...

Inflammatory illness: Why the next wave of antidepressants may target the immune system p.1009

doi: 10.1038/nm0917-1009

News & Views

造血幹細胞移植の際の腸内ウイローム:詳細な解析の必要性が明らかに

The enteric virome in hematopoietic stem cell transplantation: ready for its close-up p.1012

doi: 10.1038/nm.4403

うつ病の性特異的な疾患関連モジュール

Sex-specific disease-associated modules for depression p.1015

doi: 10.1038/nm.4391

Perspective

高精度医療:がんの機能的高精度医療 — 基礎ゲノミクスの先へ

Functional precision cancer medicine—moving beyond pure genomics p.1028

doi: 10.1038/nm.4389

Letters

がん治療: SPOPが変異した前立腺がんで見られる内因的なBET阻害剤抵抗性はBETタンパク質の安定化とAKT–mTORC1活性化を介して生じる

Intrinsic BET inhibitor resistance in SPOP-mutated prostate cancer is mediated by BET protein stabilization and AKT–mTORC1 activation p.1055

doi: 10.1038/nm.4379

がん治療:前立腺がん関連SPOP変異はBRD4の安定化によりBET阻害剤への抵抗性をもたらす

Prostate cancer–associated SPOP mutations confer resistance to BET inhibitors through stabilization of BRD4 p.1063

doi: 10.1038/nm.4378

骨粗鬆症:細胞老化を標的とすることでマウスの老化に伴う骨量減少を防止する

Targeting cellular senescence prevents age-related bone loss in mice p.1072

doi: 10.1038/nm.4385

微生物学:造血幹細胞移植における真核生物腸内ウイロームの変化:腸の移植片対宿主病についての新たな手がかり

The eukaryotic gut virome in hematopoietic stem cell transplantation: new clues in enteric graft-versus-host disease p.1080

doi: 10.1038/nm.4380

脂質代謝:ヒトAPOC3ミスセンスバリアントとモノクローナル抗体はapoC-IIIの除去

A human APOC3 missense variant and monoclonal antibody accelerate apoC-III clearance and lower triglyceride-rich lipoprotein levels p.1086

doi: 10.1038/nm.4390

Articles

免疫:D-マンノースは制御性T細胞を誘導し免疫病態を抑制する

D-mannose induces regulatory T cells and suppresses immunopathology p.1036

doi: 10.1038/nm.4375

がん治療:がんの種類に特異的なSPOP変異体はBETタンパク質分解とBET阻害剤感受性に相反する影響を及ぼす

Opposing effects of cancer-type-specific SPOP mutants on BET protein degradation and sensitivity to BET inhibitors p.1046

doi: 10.1038/nm.4372

Review

神経疾患:脳疾患に重要な役割を持つことが明らかになってきたミクログリア

Microglia emerge as central players in brain disease p.1018

doi: 10.1038/nm.4397

Resources

うつ病:ヒトのうつ病における性特異的な転写シグネチャー

Sex-specific transcriptional signatures in human depression p.1102

doi: 10.1038/nm.4386

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