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Volume 23 Number 2

表紙について

ミクログリアには発現しないが、末梢の侵害受容器ニューロンに発現するμオピオイド受容体(MOR)が、オピオイドに関連する副作用である耐性とオピオイド誘発性痛覚過敏の原因であることを、Corderたちが突き止めた。さらに、末梢限定的オピオイドアンタゴニストの臭化メチルナルトレキソンをモルヒネと同時投与すると、このような副作用が軽減されることも明らかになった。表紙画像はマウスの脊髄である。MORをコードするOprm1 mRNA(マゼンタ色)はニューロンに濃縮されているが、ミクログリア(マーカーのCD11bを黄色で示す)には濃縮されていない。
画像提供:Vivianne Tawfik, Scherrer laboratory

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注目のハイライト

その他のハイライト

Editorial

News

組織チップの性能と限界:製薬企業が薬剤候補の試験に使う動物モデルや細胞モデルでは、ヒトがその薬剤に示す反応を常に予測できるとは限らない。ヒトの組織、例えば腎臓の機能を再現できる組織チップは、腎臓の最も重要な機能を果たし、薬剤による損傷を最も受けやすい2種類の管を形成する細胞を含んでいる。このようなチップは創薬や疾患のモデル化にどの程度有用なのか、その検証が始まった。

Channeling chip power: Tissue chips are being put to the test by industry p.138

doi: 10.1038/nm0217-138

ボードルーム・バウンドの目標:企業が女性やマイノリティの優れた人材を取締役員候補とする過程を支援するNPOのボードルーム・バウンドは医薬品企業の最上層部に女性をもっと増やすための努力を続けているが、目標と現実のギャップはまだ大きい

Boardroom bound: Efforts to bring more women into biomed industry's top ranks p.141

doi: 10.1038/nm0217-141

心のマッピング:電位を感知する電極を配置した極薄のアレイであるNeuroGridは、脳表面に置くだけで単一ニューロンの活動を測定できる。これを使って脳のさまざまな未知の領域が明らかにされつつあり、また臨床では、てんかんの手術の際に脳表面に直接置いて病巣部位の正確な判定に使えるのではと期待されている。

Mapping the mind: A new tool reveals uncharted territories in the brain p.144

doi: 10.1038/nm0217-144

News & Views

ドナー由来CAR T細胞の同種反応性を疲弊させる

Exhausting alloreactivity of donor-derived CAR T cells p.147

doi: 10.1038/nm.4276

HDAC3は筋肉のエネルギー源切り替えのためのタイマーをセットする

HDAC3 sets the timer on muscle fuel switching p.148

doi: 10.1038/nm.4282

Letters

がん:膵臓腫瘍でのがん細胞自律的な細胞外タンパク質異化の存在を示す直接的証拠

Direct evidence for cancer-cell-autonomous extracellular protein catabolism in pancreatic tumors p.235

doi: 10.1038/nm.4256

白血病:ドナーCD19 CAR T細胞は強力な移植片対リンパ腫活性を発揮するが、移植片対宿主活性は減弱する

Donor CD19 CAR T cells exert potent graft-versus-lymphoma activity with diminished graft-versus-host activity p.242

doi: 10.1038/nm.4258

がん治療:SAMHD1は急性骨髄性白血病でのシタラビン応答性のバイオマーカーであり、治療標的である

SAMHD1 is a biomarker for cytarabine response and a therapeutic target in acute myeloid leukemia p.250

doi: 10.1038/nm.4255

がん治療:SAMHD1をVpxタンパク質の標的とすることで血液悪性腫瘍に対するシタラビン療法の効果を改善する

Targeting SAMHD1 with the Vpx protein to improve cytarabine therapy for hematological malignancies p.256

doi: 10.1038/nm.4265

Articles

疼痛:侵害受容器で発現するが、ミクログリアでは発現の見られないμオピオイド受容体シグナル伝達の消失は鎮痛効果を阻害することなくモルヒネ耐性を抑制する

Loss of μ opioid receptor signaling in nociceptors, but not microglia, abrogates morphine tolerance without disrupting analgesia p.164

doi: 10.1038/nm.4262

老化:特定のインフラマソーム遺伝子モジュールの発現によって、高齢者は二極的な臨床的・免疫的状態に分類される

Expression of specific inflammasome gene modules stratifies older individuals into two extreme clinical and immunological states p.174

doi: 10.1038/nm.4267

HIV:抗体10-1074はHIV-1感染者でウイルス血症を抑制する

Antibody 10-1074 suppresses viremia in HIV-1-infected individuals p.185

doi: 10.1038/nm.4268

ワクチン:昆虫特異的なウイルスプラットフォームを利用したチクングニア熱ワクチン

A chikungunya fever vaccine utilizing an insect-specific virus platform p.192

doi: 10.1038/nm.4253

大動脈疾患:メタロプロテアーゼAdamts1欠損マウスとマルファン症候群のマウスモデルで一酸化窒素は大動脈疾患を仲介する

Nitric oxide mediates aortic disease in mice deficient in the metalloprotease Adamts1 and in a mouse model of Marfan syndrome p.200

doi: 10.1038/nm.4266

インプリンティング異常症:ヒストンメチルトランスフェラーゼG9aの標的化はインプリントされた遺伝子を活性化し、プラダー・ウィリー症候群マウスモデルの生存を改善する

Targeting the histone methyltransferase G9a activates imprinted genes and improves survival of a mouse model of Prader–Willi syndrome p.213

doi: 10.1038/nm.4257

糖尿病:マウス筋肉でのHDAC3欠失はインスリン感受性と運動持久力との解離を引き起こす

Dissociation of muscle insulin sensitivity from exercise endurance in mice by HDAC3 depletion p.223

doi: 10.1038/nm.4245

Review

神経変性疾患:神経変性におけるαシヌクレインの毒性:発症機序と治療法

α-synuclein toxicity in neurodegeneration: mechanism and therapeutic strategies p.151

doi: 10.1038/nm.4269

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