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大動脈疾患:メタロプロテアーゼAdamts1欠損マウスとマルファン症候群のマウスモデルで一酸化窒素は大動脈疾患を仲介する

Nature Medicine 23, 2 doi: 10.1038/nm.4266

マルファン症候群(MFS)などの遺伝性胸部大動脈瘤および解離(TAAD)は、現時点では治療法がなく、原因となる変異が明らかになっているのは罹患家族のごく一部だけである。今回我々は、メタロプロテアーゼのADAMTS1と誘導性一酸化窒素シンターゼ(NOS2)が、TAAD患者の治療標的となることを突き止めた。マウスでのAdamts1の遺伝的ハプロ不全がMFSに似たTAADを引き起こすことから、Adamts1が血管恒常性の主要なメディエーターであることが明らかなった。大動脈の一酸化窒素およびNos2レベルは、Adamts1欠損マウスおよびMFSのマウスモデル(以下MFSマウスとする)で高く、Nos2不活性化はこの2種類のマウスで大動脈病変を起こりにくくした。Nos2の薬理学的阻害は、若齢のAdamts1欠損マウス、それに若齢および老齢のMFSマウスで大動脈拡張と中膜変性を迅速に改善した。MFS患者では、大動脈でNOS2レベルの上昇とADAMTS1タンパク質レベルの低下が見られた。以上の結果は、ヒトTAADでADAMTS1-NOS2経路が病因としての役割を持つ可能性を明らかにし、NOS2阻害剤の治療への使用の正当性を実証するものである。

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