Review

神経変性疾患:神経変性におけるαシヌクレインの毒性:発症機序と治療法

Nature Medicine 23, 2 doi: 10.1038/nm.4269

αシヌクレインの存在量の変化は家族性パーキンソン病(PD)の原因となり、αシヌクレインが蓄積するとPD、レビー小体型認知症(DLB)、多系統萎縮症(MSA)などのシヌクレイノパチーが発症する。さらにαシヌクレインはアルツハイマー病で重要な2つのタンパク質のβアミロイドとタウの繊維形成にも関わっていて、このことはαシヌクレインの毒性が神経変性に中心的な役割を果たしていることを示唆している。αシヌクレインの毒性やその下流に位置する細胞経路の破壊に関わる因子についての最近の研究から、シヌクレイノパチーの発症機序について解明が進んだ。本総説では、これらの発展段階にある研究について、加齢、選択的な神経脆弱性やαシヌクレインの細胞間伝播のような非細胞自律的要因、さらに神経炎症などの関与も含めて論じる。さらに、PDおよびそれに関連するシヌクレイノパチーに対する標的治療の開発に向けた最近の研究についても要約する。

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