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iPS細胞は絶滅危惧種を救えるか?
絶滅の危機に瀕しているキタシロサイとドリルの細胞から、再プログラム化法によって人工多能性幹細胞が作られた。
学名ホモ・サピエンスは「知恵のある人」という意味だが、あやしい個体や集団は多い。類人猿が知恵を持たないと断定するのも難しい。ところが今回、ヒトの特徴をもっとよく表す性質が明らかになった。それはなんと、仲間と一緒に作業をすること(共同的)と、獲得物を気前よく分け与えることなのだ。実験では三歳児のペアにおもちゃを与え、どちらかがそれを手にするまでに、(1)共同作業が必要、(2)労せずして手に入る、(3)単独作業、のいずれかになるようにした。すると、共同作業で手に入れたおもちゃは、明らかに、2人で分かち合って遊んだのである。ヒトは三つ子の時から、仲間と共有することの大切さを身につけているようだ。
絶滅の危機に瀕しているキタシロサイとドリルの細胞から、再プログラム化法によって人工多能性幹細胞が作られた。
戦争が起こると、陸にも海にも被害が及ぶ。天然資源が失われ、それがさらなる暴力を呼ぶ。戦争生態学は、戦争と環境が相互に及ぼす影響を研究する学問であり、平和の確保に役立つ側面も持っている。
中国の最も優れた若手科学者は、今は海外の研究所で活動している。この現状を変え、優れたポスドクを本国で育成し、彼らが国内でポストを得られるようにするための努力が始まっている。
皮膚に貼れる超小型センサーが開発され、健康状態のモニタリング、音声の増幅、医療用人工装具の制御に役立つことが期待される。
セディバ猿人には、現代人と猿人の両方の形質が見られる。
事故以来続く政府と東京電力の混乱、そして官僚主義のために、放射線の影響の迅速な評価が阻まれている。
巨大IT企業グーグルとマイクロソフトの新サービスは、論文引用データやその評価指標を無料で提供する。
10年前、遺族の承諾を得ない病理解剖が英国で問題になり、政府の調査報告書は「問題あり」との結論を出した。しかし、それに関連した論文は、今なお取り下げられていない。
チンパンジーにも「伝統」があるのだろうか。野生チンパンジーの個体数が減少の一途をたどる中、研究者たちは競い合うようにその研究を進めている。
巨大地震の一部は、陸地から遠く離れた沖合の海底断層で発生する。地球物理学者たちは今、この危険な断層を監視するために、海底にセンサー網を設置しつつある。
私たちの身の周りには、多くの危険が潜んでいる。恐怖を感じ、怖い体験を忘れずに記憶しておくのは、これらの危険から身を守るためともいえる。一方で、東日本大震災のように、生死にかかわる出来事が病的なトラウマとなって脳に刻まれてしまうこともある。横浜市立大学先端医科学研究センターの高橋琢哉教授らは、場所と関連して受けた恐怖体験の記憶が作られる仕組みを、分子レベルで明らかにした。
人類には、誇るべき特徴が少なくとも2つある。ほかの大型類人猿よりも、共同的であることと、気前がいいことだ。
深海の熱水噴出孔には、微生物と動物との多様な共生関係が存在するが、そうした関係にエネルギーを供給する物質は2つだけだと考えられていた。今回、第三のエネルギー源が発見された。
多くの銀河の中心部には巨大なブラックホールがある。静かなブラックホールがある一方で、大量の放射線を出しているものもある。今回、「ブラックホールの目覚め」ともいえる現象が初めて観測された。静かなブラックホールが、近くの星をばらばらに壊して飲み込み、突然、大量の放射線を出すブラックホールへと変身したのだ。
Nature 2011年9/1〜9/29号のハイライトを掲載しています。
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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778