Nature ハイライト

遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子

Nature 571, 7764

細菌のCRISPR–Cas系の主な機能は、外来性の核酸を認識して分解することである。そのため、この系は進化史の早い時期に生じた免疫過程の1つと見なされてきた。S Sternbergたちは今回、この系が可動性DNA因子の組み込みも仲介できることを明らかにしている。コレラ菌(Vibrio cholerae)のTn7様トランスポゾンを大腸菌(Escherichia coli)ゲノムへ組み込むには、RNA誘導型CRISPR Cascade複合体とTn7様トランスポゾンにコードされるTniQタンパク質が必要であることが分かった。これらの知見からすると、ガイドRNAに支援されたターゲッティングを用いて、標的DNAに二本鎖切断箇所を作らずにゲノムを操作するための方法はもっとたくさんあると考えられる。

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