Nature ハイライト

神経科学:自閉症モデルの作製

Nature 570, 7761

SHANK3遺伝子の変異は、自閉症スペクトラム障害の強いリスク因子である。これらの変異は齧歯類でモデル化されているが、齧歯類の行動や脳は、ヒトのものとは大きく隔たっている。G Fengたちは今回、系統発生学的にヒトにより近いカニクイザル(Macaca fascicularis)で、遺伝子編集技術を用いてSHANK3変異を作製したことを報告している。これらのサルは行動と神経の両方でさまざまな異常を示し、そうした異常はヒトでの機能障害で見られるいくつかの側面に類似していた。この研究は、ヒト自閉症スペクトラム障害の機構に関する仮説や治療法を検討するためのモデルを樹立する上で有望な進歩となる可能性がある。

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