Nature ハイライト

細胞生物学:アクチンが握るDNA修復のカギ

Nature 559, 7712

DNA二本鎖切断の相同組換えによる修復では、5′鎖が著しく分解されている末端が観察されており、こうした末端は移動度が非常に高く、ショウジョウバエ(Drosophila)では核内の周辺領域に局在している。今回、I ChioloとJ Gautierの研究グループがそれぞれ、核内のアクチンの重合によってこうした移動が引き起こされる仕組みについて報告している。Gautierたちは、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の無細胞抽出物と哺乳類細胞を用いて、アクチンフィラメントが細胞周期のG2期における効率的な相同組換えに必要であることを明らかにしており、Chioloたちはショウジョウバエで、ヘテロクロマチンの切断部位の再局在化もSmc5/6を介したミオシンの修復部位への誘導に依存していることを示している。対照的に、二本鎖切断の相同組換えに依存しない過程、つまり非相同末端結合による修復では、アクチンは影響を及ぼさないことが分かった。両グループは、切断部位を修復に必要な因子群を含む核区画へと移動させるには、アクチン重合体が必要であると提案している。

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