Nature ハイライト

生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害

Nature 542, 7640

セパラーゼは、姉妹染色分体が分離しないようにつなぎ止めておく働きをしているコヒーシンに作用するプロテアーゼで、細胞分裂の際に姉妹染色分体を適切なタイミングで解離させる。このセパラーゼの活性は、その阻害因子であるセキュリンにより抑制されている。L TongとS Luoは今回、酵母のセパラーゼ–セキュリン複合体の高分解能構造を解いた。その構造から、セキュリンは自身の短い領域をセパラーゼの活性部位へと挿入し、それによって活性を阻害していることが示され、阻害機構が明らかになった。生化学的研究からは、セパラーゼの活性部位の外部でのセキュリンとの接触が複合体の安定化に非常に重要であることも示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度