Nature ハイライト

生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する

Nature 542, 7640

フトモモ属の<i>Syzygium wrightii</i>と、その花蜜を採食するヒルヤモリ属の<i>Phelsuma astriata</i>(いずれもセーシェルの固有種)。ヤモリは花粉媒介で重要な役割を果たしており、地域によっては主な花粉媒介者となる。
フトモモ属のSyzygium wrightiiと、その花蜜を採食するヒルヤモリ属のPhelsuma astriata(いずれもセーシェルの固有種)。ヤモリは花粉媒介で重要な役割を果たしており、地域によっては主な花粉媒介者となる。 | 拡大する

Credit: C. Kaiser-Bunbury

人間活動は、生物多様性および生態系機能に有害な影響を及ぼす場合が多いが、そうした影響が生態系群集を標的にした操作によって効果的に緩和および解消されるのかどうかは、大きな議論のテーマとなっている。今回、C Kaiser-Bunburyたちは、生態系修復の1つの手法(全ての外来植物種の除去という植生修復)がセーシェルの山頂群集の植物–花粉媒介者ネットワークの構造および機能に与える影響について評価している。植生修復は、花粉媒介者の種数および訪花回数を顕著に増加させた。また、花粉媒介者の相互作用多様性の増大、さらには重要なことに、果実作物および在来植物の花粉媒介の増加も見られた。これらの知見は、生態系機能(今回の場合は花粉媒介)の劣化が、少なくとも部分的には可逆的であることを示唆している。

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