Nature ハイライト

構造生物学:ニア原子分解能で得られた真核生物Cavチャネルの構造

Nature 537, 7619

電位依存性カルシウム(Cav)チャネルは、膜で生じた電気シグナルをCa2+が仲介して起こる細胞内事象に変換する。例えば、Cav1.1は骨格筋で発現され、興奮収縮連関の電位センサーとして働いている。今回、ウサギ由来Cav1.1の3.6 Å分解能での低温電子顕微鏡構造が報告された。中核となるα1サブユニットの高分解能構造が得られ、イオン透過経路を詳しく調べることが可能になり、複数の伸びた細胞外ループが選択性フィルターの上部に「開口部のあるドーム」を形成しているという予想外の構造が明らかになった。Cav1.1複合体のこのニア原子構造によって興奮収縮連関の構造解明の基盤が確立され、CavおよびNavチャネルの機能と疾患機序の分子レベルでの説明のための三次元モデルが得られた。

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