Nature ハイライト

遺伝:果物のY染色体に興味しんしん

Nature 427, 6972

パパイヤにもY染色体があることが明らかになった。この発見は、性染色体がどのようにして生じたかを解明するヒントになるかもしれない。 植物や動物は、さまざまな性決定機構を進化させてきた。その1つに、形態的に異なる性染色体がある。たとえばヒトの雌には一対のX染色体があるのに対し、ヒトの雄はX染色体1本と雄であることを決定づけるY染色体1本をもつ。これらの性染色体は数百万年の年月をかけて進化し、Y染色体は次第に今日のように小型化した。顕花植物の多くは雌雄同体で、進化によって異なった性をもつようになった顕花植物が出現進化したのは、ずっと最近のことである。 R Mingたちは、パパイヤ(Carica papaya)が原始的なY染色体をもつことを発見した。この染色体では10%が性決定にかかわっている。この雄特有の領域は残りの部分に比べると遺伝子密度が低い。進化によって性決定遺伝子以外のすべてが削ぎ落とされる前の、「通常の」染色体からできたばかりの性染色体の姿をここに見ることができる。

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