Nature ハイライト

地球化学:黒色炭素の出自

Nature 427, 6972

山火事や化石燃料の燃焼で生じた炭素は、最終的に海洋堆積物中に行きつくが、その量はどうやら過大評価されているらしい。今回得られた結果は、燃焼で発生した炭素の大部分が海の底に閉じこめられるという定説に疑問を投げかけるものだ。 A F Dickensたちは海洋堆積物中の炭素の大半はむしろ岩石の風化に由来すると報告している。堆積物試料が、化石化した有機物の放射性元素の特徴をもつことが明らかになったからだ。 この発見は炭素が最終的にどうなるかという疑問を提起している、とM SchmidtはNews and Viewsで述べている。また地球化学の分野では、炭素を指標とする年代測定法の前提の再考をせまられるかもしれない。

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