Nature ハイライト

宇宙:宇宙の距離標識の再検討

Nature 427, 6972

宇宙の基本的な距離標識の値が、より高精度に求められた。すばる、あるいはセブン・シスターズという名でも知られるプレヤデス星団と地球との距離である。この測定値は、さらに長い天文学的距離を決定するために利用されるもので、ヨーロッパのヒッパルコス衛星が収集したデータの信頼性に、疑問を投げかけそうだ。 X Panたちは、プレヤデスにある星の1つの軌道を研究し、この結果を用いて星団全体と地球との距離を推定した。彼らの測定値は、恒星の色と光度に基づく他の推定値と見事に一致するが、これより10%小さいヒッパルコスの値とは矛盾している。この研究グループによれば、ヒッパルコスのデータが間違っていなければ、星の一生に関する我々の理解が間違っていることになるという。 News and ViewsでB Paczynskiは、ヒッパルコスが正しいとしたら宇宙の大きさの推定値も疑わしくなってくると語っている。「Panによって決着がついたと思う。ヒッパルコスのデータが残念ながらずれていることが判ったとしても意外ではない。しかし、天文学的距離の測定値に自信を持てるようになるには、この問題を解決しないといけない」とも述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度