Volume 427 Number 6972

News & Views

天文学:距離の問題

A problem of distance p.299

地球からプレヤデス星団まではどの位の距離があるのだろうか。最新の測定によると、ヒッパルコス衛星からのデータには問題があるようだ。このことは、他の天文学的距離の推定にも影響を与えそうである。highlights 参照。

doi: 10.1038/427299a

細胞分裂:紡錘体の引いたり食べたり

Burning the spindle at both ends p.300

細胞分裂の際にゲノムをまちがいなく移動させるには、複製された染色体を物理的に分離させなければならない。これをおこなうのに必要な2つの分子モーターの正体がショウジョウバエで明らかになった。letters, p.364 参照。

doi: 10.1038/427300a

ナノテクノロジー:ナノチューブの未来

Dreams of a hollow future p.301

カーボンナノチューブはナノテクノロジーではおなじみのメンバーとなっている。無機材料から作られたナノチューブは目下増えつつあり、その最新の成果は複雑なマンガン酸化物でできたナノスケールのチューブである。

doi: 10.1038/427301a

心理学:眠りの考察

Insight and the sleep committee p.304

我々は一生のほぼ3分の1を眠って過ごす。睡眠は欠くべからざるものであるが、非生産的な状態であるようにも思える。今回、睡眠は創造的思考を刺激するという、よく言われている説を裏付ける実験的証拠が発表された。highlights 参照。

doi: 10.1038/427304a

生物地球化学:黒色炭素に関する暗い見通し

Carbon budget in the black p.305

海洋堆積物中のありふれた有機成分のかなりの部分が予想外の起源を持つことがわかり、陸と海における地球規模の炭素サイクルの研究に新たな前提条件が加わりそうだ。highlights 参照。

doi: 10.1038/427305a

一流のやり口

A class act p.307

生物ではさまざまな状況で膜の融合が起こっており、ある種のウイルスの宿主細胞への侵入はその一例である。このような融合を起こさせるタンパク質の構造変化が、3種類の結晶構造解析からわかってきた。articles, p.313 & 320 参照。

doi: 10.1038/427307a

Highlight

Articles

構造生物学:デングウイルスエンベロープタンパク質の膜融合後の構造

Structure of the dengue virus envelope protein after membrane fusion p.313

doi: 10.1038/nature02165

構造生物学:セムリキ森林熱ウイルス融合タンパク質のコンフォメーション変化とタンパク質-タンパク質相互作用

Conformational change and protein-protein interactions of the fusion protein of Semliki Forest virus p.320

doi: 10.1038/nature02239

Letters

宇宙:プレヤデス星団までの距離は133〜137パーセクである

A distance of 133 - 137 parsecs to the Pleiades star cluster p.326

doi: 10.1038/nature02296

物理:量子ホール効果における局在化の微視的な性質

The microscopic nature of localization in the quantum Hall effect p.328

doi: 10.1038/nature02230

気候:欧州の夏季の熱波に気温のばらつきの増加が果たす役割

The role of increasing temperature variability in European summer heatwaves p.332

doi: 10.1038/nature02300

地球化学:海洋堆積物中における化石由来の有機炭素の再埋設

Reburial of fossil organic carbon in marine sediments p.336

doi: 10.1038/nature02299

地球:地球の核の物理的な条件下における鉄の融解

Melting of iron at the physical conditions of the Earth's core p.339

doi: 10.1038/nature02248

動物:ニワトリの福祉は飼育密度よりも飼育環境状態に左右される

Chicken welfare is influenced more by housing conditions than by stocking density p.342

doi: 10.1038/nature02226

医学:タイにおけるデング出血熱の発生にみられる進行波

Travelling waves in the occurrence of dengue haemorrhagic fever in Thailand p.344

doi: 10.1038/nature02225

遺伝:パパイヤの原始的なY染色体が示す初期の性染色体の進化

A primitive Y chromosome in papaya marks incipient sex chromosome evolution p.348

doi: 10.1038/nature02228

免疫:胸腺および末梢リンパ器官からのリンパ球移出はS1P受容体1に依存する

Lymphocyte egress from thymus and peripheral lymphoid organs is dependent on S1P receptor 1 p.355

doi: 10.1038/nature02284

生化学:ミトコンドリアのカルシウム単一輸送体は極めて選択性の高いイオンチャネルである

The mitochondrial calcium uniporter is a highly selective ion channel p.360

doi: 10.1038/nature02246

細胞:細胞分裂後期に起こる姉妹染色分体の分離は2種類の有糸分裂キネシンの協調によって進められる

Two mitotic kinesins cooperate to drive sister chromatid separation during anaphase p.364

doi: 10.1038/nature02256

細胞:MAPK Hog1がRpd3ヒストン脱アセチル化酵素を動員して浸透圧応答遺伝子を活性化する

The MAPK Hog1 recruits Rpd3 histone deacetylase to activate osmoresponsive genes p.370

doi: 10.1038/nature02258

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