Nature ハイライト

幹細胞:新たな幹細胞状態

Nature 521, 7552

マウスの多能性細胞として広く認知されている胚性幹細胞とエピブラスト幹細胞は、胚発生過程の異なる時点の胚に由来する。今回J Belmonteたちは、マウスのエピブラストから多能性幹細胞を樹立する際に用いる培養液中のシグナル伝達因子群を調節することで、既知のこれら2種類の幹細胞とは異なる特徴を持つ、もう1つの幹細胞状態の存在を明らかにした。これらの細胞は、マウスのエピブラストの特定領域に生着できるので、領域選択型多能性幹細胞(rsPSC)と名付けられた。マウスや霊長類の培養多能性幹細胞株からも、これと同様の特性を持つ細胞を得ることができた。rsPSCの研究によって、哺乳類の発生のさらなる解明が可能になるだろう。

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