Nature ハイライト

進化遺伝学:転写のノイズが自然選択の対象になる

Nature 521, 7552

今回P Wittkoppたちは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のシス調節領域に見られる236の変異の影響を測定し、この酵母の85の単離株で同じシス調節領域に見られる自然多型の影響と比較した。すると、プロモーター領域の塩基配列の多様性に与える影響は、平均発現レベルに対する選択よりも、遺伝的に同一な細胞の間での発現の変動性(つまり発現ノイズ)に対する選択の方が大きいことが分かった。これは、発現ノイズの差異の方が平均発現レベルの差異よりも適応度に影響するからではなく、これら2つの表現型に対する変異の影響の分布に違いがあるためだと考えられる。

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