Nature ハイライト

医学:C9orf72に関連する神経病変でのRNA毒性

Nature 507, 7491

反復配列伸長は、同一のDNA塩基配列がタンデムに繰り返されて過剰なコピー数が生じる変異で、40種類以上の遺伝子疾患の原因となっており、概して神経系や神経筋に関連した問題が生じる。C9orf72の6塩基反復配列の伸長は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と前頭側頭型認知症(FTD)の両方の原因であることが明らかになっている。正常なC9orf72の反復回数は25回以下だが、患者では数千回になることがある。今回、RNA毒性の増加が、ALS/FTDでのC9orf72に関連した病理の基盤であるらしいことが分かった。転写されたC9orf72の6塩基配列反復は、ヌクレオリンのような特定のリボ核タンパク質にコンホメーションに依存した形で結合する。この結果としてヌクレオリンの局在異常や機能障害が生じ、核小体ストレスが引き起こされる。

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