Nature ハイライト

生物物理:リボスイッチには、オン、オフと「状況次第」がある

Nature 499, 7458

リボスイッチは、mRNA中にあって代謝産物などのリガンドと結合する決まった配列(アプタマー)で、この結合がmRNAの構造を変化させ、その発現に影響を及ぼす。これまで、リボスイッチにはオンとオフの2つの状態だけしかないと考えられていた。新たなNMR研究により、この見方は単純過ぎることが明らかになった。H Schwalbeたちは、幅広い温度環境に生息する生物が持つリボスイッチに着目し、ヒトの病原菌Vibrio vulnificusadd遺伝子にコードされるアデニン感知リボスイッチが3つの状態をとり得ることを見いだした。このリボスイッチには、オンとオフの他に第三の状態があり、それによって温度とリガンド濃度の両方を同時にモニターして、遺伝子発現をより厳密に制御できる。

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