Nature ハイライト

生物無機化学:ハロゲナーゼSyrB2反応中間体の構造

Nature 499, 7458

単核非ヘム鉄(NHFe)酵素によって触媒される酸化反応では、高スピン種S = 2 Fe(IV)=Oが重要な反応中間体である。今回、シンクロトロン放射光を用いた核共鳴振動分光法(NRVS)によって、植物病原菌Pseudomonas syringaeに由来するハロゲナーゼSyrB2の反応中間体の構造が決定されている。NRVS法は、Feの振動モードがFe(IV)=O活性部位の性質にどのように依存するかを高い感度で明らかにできる。この中間体の反応では、最初に水素原子が引き抜かれ、次にリバウンド機構によって天然基質ならハロゲン化、非天然基質ならヒドロキシル化が起こる。このとき、基質がオキソ中間体の配向を決め、選択的ハロゲン化または選択的水酸化のそれぞれを活性化するフロンティア分子軌道を特定する。

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