Nature ハイライト

物理:ジョセフソン効果の新展開

Nature 499, 7458

ブライアン・ジョセフソンは1962年に、トンネル接合のような、弱結合で隔てられた2つの超伝導体の間を、無散逸の「超伝導電流」が流れるはずであると提案した。彼は正しかったし、このジョセフソン効果から、磁気測定、医学、天文学に応用できる新しい研究分野が立ち上がった。今回、ジョセフソン効果でこれまで見落とされていたある側面について報告されている。ジョセフソン接合の既存の応用例は、基底状態の特性しか利用していないが、こうした例では、超伝導電流を運ぶ電子対は弱結合に局在し、基底対状態と励起対状態のいわゆる「アンドレーエフ二重項」を形成している。L Bretheauたちは、励起アンドレーエフ対状態が存在することを、超伝導原子接触の分光学的測定を通して確かめた。トンネル電子対に対してこれまで見落とされてきたこの自由度は、新しい種類の超伝導キュービットに利用できる可能性のある新しい量子資源となる。

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