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生物物理:3状態機構が、リボスイッチのリガンドと温度感知とを共役させている

Nature 499, 7458 doi: 10.1038/nature12378

リボスイッチはシスに働く遺伝子調節性RNAエレメントで、転写、翻訳、RNA切断の段階で機能し得る。リボスイッチ機能の分子機構として広く受け入れられているのは、リガンドに依存して、2つの相互に排他的な状態の間でコンホメーションが切り替わるとする説である。この機構によれば、リガンドがアプタマードメインに結合すると、遺伝子発現の基盤にアロステリックなコンホメーション切り替えが起きて、リガンドに関連した遺伝子の発現が活性化されたり抑制されたりする。しかし、多くのリボスイッチの特性は、純粋な2状態機構では説明できない。グラム陰性のヒト病原菌Vibrio vulnificusは、第II染色体上にあるadd遺伝子によってコードされる、アデニン感知リボスイッチを持つ。今回我々は、このリボスイッチの調節機構が、2状態スイッチ機構とは明らかに違い、3つの異なる安定なコンホメーションを含むことを明らかにした。さらに、この3つのコンホメーションについて、存在比の温度依存性とMg2+依存性を明らかにし、立体構造間の相互変換の動態をヌクレオチドレベルの分解能で詳しく調べた。このaddリボスイッチでは、リガンドと結合していない2つのコンホメーションを含む前平衡状態について観察された温度依存性によって、生理的な温度範囲で調節が効率的に行われている。このようなロバストな切り替えは、温度が変化する環境に適応しなくてはならない細菌の遺伝子調節にとって重要な要件である。翻訳段階で働くこのアデニン感知リボスイッチは、我々の知る限り、温度補償型調節性RNAエレメントの初めての例である。

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