Nature ハイライト

医学:黒色腫の薬剤耐性機構

Nature 468, 7326

B-RAF遺伝子に変異が生じている黒色腫患者を対象とした臨床試験では、B-RAFキナーゼ阻害剤PLX4032で有望な結果が示されたが、時間が経つと多くの患者で薬剤耐性が出現している。今回、2つの論文が、耐性出現の機構と考えられるものを明らかにしている。Nazarianたちは、N-RASの変異、あるいはPDGFRβの発現上昇によって黒色腫が耐性を獲得しうることを、またJohannessenたちは、MAP3K8/COTの発現上昇による耐性出現について報告している。これらの機構はそれぞれ、最近のPLX4032の臨床試験に参加した患者の一部に当てはまるようだ。その一方で、B-RAFに二次変異が見つからなかったのは意外な結果といえる。

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