Nature ハイライト

細胞:TRIM24はヒストン標識を乳がんに結びつける

Nature 468, 7326

ヒストンの翻訳後修飾は、遺伝子発現の調節において極めて重要な機構の1つである。修飾は組み合わせとして起こり、こうした組み合わせはヒストン読み取りタンパク質によって正確に翻訳されなければならない。今回、転写およびクロマチンの調節因子であるTRIM24の結晶構造の解析から、TRIM24はヒストンH3尾部にある2つの印を組み合わせて認識できる、珍しいヒストン読み取り分子であることがわかった。TRIM24はエストロゲン依存性遺伝子群の活性化に関与しており、また、乳がんでは発現に異常がみられる。つまりこの研究は、染色体構造の読み取り分子が発がんに影響を与える可能性がある、新しい経路を実証している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度