Nature ハイライト

宇宙:ほぼ水だけからできた土星の環の形成

Nature 468, 7326

土星の環の起源を説明するための従来の理論は、小衛星の衝突崩壊や通過する彗星の潮汐崩壊などに基づくものだが、氷を主とする組成など、環の基本的な特徴を説明できていない。R Canupは、環が惑星の潮汐力の作用によって形成したという新しいモデルを提唱し、この潮汐力は大きな衛星が内側に移動していく際に働いて、衛星の外側の氷層をはぎ取って岩石コアを残し、コアは最終的には惑星との衝突によって消滅したと考えている。その結果、純粋な氷からなる大質量の環が形成され、これはその後隕石との衝突を通して進化し、90〜95%が水氷という環の現在の姿が生じたというのだ。

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