Nature ハイライト

物性:オキシプニクタイド超伝導の最新研究

Nature 453, 7197

転移温度約26 Kという新規超伝導体LaFeAsO0.89F0.11が合成された直後に、ドープされた4成分層状オキシプニクタイドでさらに高いTcが報告された。今週号の2編の論文は、この非従来型超伝導の起源という重大な問題にかかわるものだ。de la Cruzたちは、新超伝導体の親化合物の中性子散乱実験について報告している。彼らは、LaO1-xFxFeAsの基底状態が、弱いスピン密度波反強磁性体の基底状態であり、約155 Kより低温では突然構造がひずむことを見いだした。フッ素ドーピングによって、磁気秩序と構造ひずみが共に抑制され、超伝導に有利となる。このことは、高Tc銅酸化物との物理的類似性を示している。Hunteたちは、非常に強い磁場中でLaFeAsO0.89F0.11の抵抗測定を行い、重要な超伝導パラメータである上部臨界磁場Bc2が並外れて高いことを明らかにした。

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