Nature ハイライト 神経科学:食欲と薬物依存 2008年6月12日 Nature 453, 7197 ドーパミンシグナル伝達の崩壊は、統合失調症や薬物依存などの精神医学的異常に関係するとされてきた。リン酸化タンパク質DARPP-32は、脳の線条体でドーパミンシグナル伝達を仲介する重要な因子で、線条体ではドーパミン作動性の活性化が報酬と学習に関係している。今回、DARPP-32の核での蓄積にかかわっている新規シグナル伝達カスケードが発見された。この経路は、食欲のような生理的刺激と乱用薬物の両方によって誘導される。このカスケードの崩壊によって、行動への薬物の影響が変化したり、食欲が低下したりするため、この機構はin vivoでのドーパミンシグナル伝達の作用にかかわっていると考えられる。 2008年6月12日号の Nature ハイライト 脳:fMRIの正しいイメージ 神経科学:食欲と薬物依存 物理:極低温でアンダーソン局在をみる 物性:オキシプニクタイド超伝導の最新研究 化学:ヒドロキシメチレンの短い一生 生態:雌が超音波を出すカエル 医学:動物モデルが答えを出す 医学:γ-セクレターゼモジュレーターの標的 遺伝:性決定とSRY 目次へ戻る