Nature ハイライト

医学:プリオンを識別する

Nature 447, 7144

プリオンタンパク質のコンホメーション変化は、アルツハイマー病のような神経変性疾患の原因であるだけでなく、起源は古いが最近になって見つかったばかりの、タンパク質による遺伝機構にもかかわっている。タンパク質間の相互作用と、その結果起こるコンホメーション変化がプリオンを作り出すのだが、これらを従来の生物物理学的手法で研究するのは極めて難しい。それに代わる方法として、P TessierとS Lindquistは、酵母のSup35プリオンタンパク質の配列に基づいて作製した100種を超えるプリオンペプチドを表面に結合させたアレイを用いて、プリオン単量体間の識別にかかわる配列因子のマッピングを行った。その結果、主要な識別部位は、出芽酵母(S. cerevisiae)のプリオンタンパク質では9番目のアミノ酸から39番目に至る狭い範囲に、カンディダ菌(C. albicans)のプリオンタンパク質では、いくつかの識別領域に存在することがわかった。完全長のタンパク質がとっている非プリオン型コンホメーションを、自己を鋳型とするアミロイド型コンホメーションへ変換させるには、これらの識別因子だけで十分である。また同じ配列因子が、異なるプリオン株の形成も支配し、生物種間の感染障壁を作っている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度