Nature ハイライト 流体力学:乱流の持続時間 2006年9月7日 Nature 443, 7107 大気中、海洋中や惑星のコア内部の流れ、さらには車両を取り巻く流れなど、自然界に存在するほとんどの流れは乱流である。定常的に形成される流れが乱流になると、永久に乱流のままであるというのが、一般的に受け入れられている考え方だ。本来的に多数の平行流からなる系である、まっすぐな管中や水路を流れる流体に関する新しい研究から、意外な結果が得られた。乱流は限られた時間の後に減衰するというのである。乱流の持続時間は有限ではあるが、流速とともに急速に長くなり、中程度の流速であっても減衰は気づかれないほどの長い時間スケールで起こる。それはともかく、今回の発見は乱流の制御に利用できる可能性がある。 2006年9月7日号の Nature ハイライト 保全:自然への回帰 科学史:反射の理由 植物:オーキシンの作用 宇宙:宇宙風化を受けた小惑星 流体力学:乱流の持続時間 材料:お手ごろ価格の燃料電池を目指して 化学:容易になったキラル合成 気候:湖の泡立ち 生化学:RNAの品質管理 生化学:H5N1ウイルスにタックル 細胞:sticky変異の落とし穴 目次へ戻る