Nature ハイライト 化学:容易になったキラル合成 2006年9月7日 Nature 443, 7107 確実で選択性が高く、環境にやさしい化学反応は、天然物や医薬品の効率的な合成にしばしば必要になる。こうした合成には多数の触媒が利用可能だが、より収率が高くエナンチオ純度も高い有機分子合成ができる新たな触媒の探索も盛んに行われている。Zhaoたちは今回、金属を含まないシンプルな触媒を開発した。この触媒を使うと、近くにある別のアルコールを変化させることなく、特定のアルコールをシリル保護基で保護できる。彼らは、多くの反応基質について高い収率とエナンチオ選択性を達成し、この触媒が重要な有機分子を作ることができる、環境にやさしい「グリーン」触媒の新たなファミリーになりうるのではと期待を寄せている。 2006年9月7日号の Nature ハイライト 保全:自然への回帰 科学史:反射の理由 植物:オーキシンの作用 宇宙:宇宙風化を受けた小惑星 流体力学:乱流の持続時間 材料:お手ごろ価格の燃料電池を目指して 化学:容易になったキラル合成 気候:湖の泡立ち 生化学:RNAの品質管理 生化学:H5N1ウイルスにタックル 細胞:sticky変異の落とし穴 目次へ戻る