Nature ハイライト

細胞生物学:ミトコンドリアの分裂位置が重要

Nature 593, 7859

ミトコンドリアの分裂は恒常的な過程であり、新しいミトコンドリアの形成や、マイトファジーによる損傷ミトコンドリアの除去につながることがある。今回S Manleyたちは、この2つの運命の決定を区別する仕組みの解明に取り組んだ。彼らは生細胞の高分解能画像化法によって、機能的、機構的に異なる2種類の分裂を観察した。具体的には、ミトコンドリアの分裂位置がこの細胞小器官の辺縁部にある場合、生じた小さい娘ミトコンドリアは、マイトファジーによって除去される。これに対し、中央部での分裂はミトコンドリアの増殖につながる。どちらのタイプの分裂事象にもダイナミン関連タンパク質1(DRP1)が関わるが、分裂のタイプはDRP1を誘導する膜アダプタータンパク質の違いというレベルで区別される。さらに、中央部での分裂にのみ、アクチンと小胞体を介した前収縮が関与する。

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