Nature ハイライト

遺伝学:体細胞変異の正確な検出のためのNanoSeq

Nature 593, 7859

現在の体細胞変異の検出法の大半は、有糸分裂を行う細胞タイプに限定されており、そのエラー率は、単一細胞あるいはごく少数の細胞のみで生じる変異を正確に検出できないほど高いことがある。I Martincorenaたちは今回、二本鎖塩基配列解読法のBotSeqSに基づいて、エラー率が体細胞変異率より2桁低い(10億部位当たり5部位未満のエラー)「NanoSeq」を開発している。これによって、クローン性とは独立に、分化細胞の研究が可能になった。著者たちは、このNanoSeqを多数の幹細胞や、最終分化した細胞タイプおよび組織に適用し、これらの生物学的試料の変異の全体像を調べるとともに、変異率にはわずかなばらつきしかなく、それは細胞分裂の割合とは独立していることを明らかにした。

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