Nature ハイライト

DNA修復:DNA二本鎖切断修復の際のループ押し出し機構

Nature 590, 7847

DNAに二本鎖切断が生じるというピンチの際にまず起こるさまざまな事象の1つに、リン酸化型ヒストンγH2AXの集積がある。今回G Legubeたちは、切断部位でのγH2AXの出現はコヒーシンに依存して起こることを見いだしている。コヒーシンは、DNA鎖を囲む環状のタンパク質で、DNA鎖に沿って移動できる。しかし、切断末端があるとそれが障壁となってコヒーシンの集積が起こり、これが留め具となってDNAのループが形成され、押し出される。これは切断末端にγH2AXが蓄積し、そこから広がっていくのと一致している。この研究により、トポロジカルドメインが、転写調節だけでなく切断部での修復区画の確立にも関わることが示された。

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