Nature ハイライト

量子物理学:浮揚したダイヤモンドのスピンと運動の結合

Nature 580, 7801

1世紀以上前、アインシュタインとドハースは、強磁性物質中の整列したスピンが作る磁気モーメントを切り替えると、機械的な運動、すなわちその物質の回転が生じることを実証した。今回G Hétetたちは、はるかに少ない数のスピンが、浮揚した物体にトルクを誘起できることを実証している。具体的には、多数の窒素–空孔中心のスピンと捕捉されたダイヤモンド粒子の配向とを結合させた。この結合によって、スピン状態の機械的な読み出しと、浮揚したダイヤモンドのスピン冷却とレーザー発振の実現が可能になった。今回の結果によって、室温でのスピンの読み出し、ナノスケールトルクの高精度検出の改善、量子シミュレーションの実行が可能になると考えられる。

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