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量子物理学:捕捉されたダイヤモンドの運動のスピン冷却

Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-020-2133-z

巨視的な量子系の観測と制御は、長く量子物理学の研究の原動力となってきた。特に、個々の量子系と機械振動子の間の強い結合が活発に研究されている。スピン系のコヒーレント制御を使った機械運動の読み出しと、清浄な振動子を使った単一スピンの読み出しの両方が実証されているのに対して、長寿命の電子スピンを使った巨視的物体の運動の温度制御はまだ報告されていない。今回我々は、捕捉されたマイクロダイヤモンドの運動のスピン依存トルクとスピン冷却を観測したことを報告する。マイクロ波励起とレーザー励起を組み合わせて用いることで、窒素–空孔中心のスピンがダイヤモンドの配向に作用して動的な反作用によるダイヤモンドの振動の冷却が可能になった。さらに我々は、この系を非線形領域で駆動することで、双安定性と、スピン–機械結合によって励起されるコヒーレントな自立振動を実証し、これにより非古典的運動状態をスピン駆動生成できる見込みを得た。こうした浮揚ダイヤモンドは、真空下の電場勾配によって適切な位置に保たれており、散逸を制御した「コンパス」として動作し得るとともに、トルクの高精度検出、スピン-ボソン問題の模倣、量子相転移の探究に使用できる可能性がある。単一スピン極限において超高純度のナノスケールダイヤモンドを使うと、周囲条件での窒素–空孔中心スピンの量子非破壊読み出し、遠く離れた個々のスピンの間の決定論的なエンタングルメント、物質波の干渉測定を行うことができる可能性がある。

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